【映画レビュー】L.A. ギャング ストーリー / Gangster Squad
ジェイムズ・エルロイの犯罪小説でも知られる1940年代に実在していたギャングのボス・ミッキー・コーエン。
このミッキー・コーエンの時代に実在したLA警察の特殊チーム“Gangster Squad”の活躍を描いたの映画が、この『L.A. ギャング ストーリー』です。
もう、ルーベン・フライシャー監督が思う所の、“カッコいいギャング映画”、“カッコいい1940年代”らしいシーンが満載。
演出も、衣装も、カメラワークも、すべてに色気たっぷりで、なんとも見応えありなのです。
1940年代にLA警察にいた“漢”たちの、美学たっぷりの戦いの軌跡…。
とにかく、映像を観ているだけでもうっとりしてしまうような、ギャング映画のテンプレを色っぽく再現してみせたような、眼福の一作です。
<STORY>
ギャングのボス、ミッキー・コーエンが仕切っていた1949年のロサンゼルス。汚職にまみれ腐敗の蔓延したLA警察では、パーカー市警本部長がジョン・オマラ巡査部長に命じ“ギャング部隊”を極秘裏に結成された。はみ出し者ばかりを集め、ギャングたちを殲滅させようというのだ。ギャング部隊の一員に選ばれたジェリー・ウーターズ巡査部長は、コーエンの恋人であるグレイスと惹かれあっており、彼女を救うためにもコーエン打倒を誓う。
<解説>
1940年代、LA警察に実在していた特殊チーム“Gangster Squad(ギャング部隊)”。
これはギャングに対抗するために、非合法な手段でギャングたちを倒していく極秘部隊のことです。
演じるのは、ジョシュ・ブローリン、ライアン・ゴズリング、ロバート・パトリック、アンソニー・マッキー、ジョヴァンニ・リビシ、マイケル・ペーニャというオトコくさーい面々。
彼らはそれぞれの信念に従って、ギャング相手に賭場を襲撃したり、輸送車を襲ったりという危険な任務に参加していくのです。
彼らが狙うミッキー・コーエンを演じるのは、名優ショーン・ペン。
ボクサーあがりで粗野ながら、抗いがたいカリスマ性を持つミッキー・コーエンをダイナミックに演じています。
そして、このオトコくさーい作品に華を添えるのが、ミッキーの恋人・グレイスを演じるエマ・ストーン。
彼女は、ミッキーと付き合いつつも、ライアン・ゴズリング演じるギャング部隊のジェリーと惹かれあい、二人の間で揺れ動くのです。
こんな彼らのドラマを、ルーベン・フライシャー監督は時にダイナミックに、時にロマンチックに描きます。
1940年代の天使の街・ロサンゼルスの建物、ファッション、美術を忠実に再現し、彼らが生きた時代を魅力的に映し出しているのです。
特に、ナイトクラブのシーンのきらびやかさ、計算され尽くした流れるようなカメラワークの美しさは必見!
華やかなハリウッドの夜を追体験できるようなシーンです。
警察の内部でも腐敗が蔓延していた爛熟の時代に、信念に生き、勇敢に戦ったオトコたちを描くこの作品、ルーベン・フライシャー監督が細部にまでこだわって、徹底的にカッコ良く、計算に計算を重ねて作り上げているのが伝わってくるような作品です。
ギャング映画や1940年代の時代やファッションが好きな人にとっては、思わずテンションが上がってしまうような、必見の一作と言えるでしょう。
『L.A. ギャング ストーリー』(113分/アメリカ/2012年)
原題:Gangster Squad
公開:2013年5月3日
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場:丸の内ルーブルほか全国にて
原作:ポール・リーバーマン
監督:ルーベン・フライシャー
脚本:ウィル・ビール
出演:ライアン・ゴズリング/ジョシュ・ブローリン/ショーン・ペン/ニック・ノルティ/エマ・ストーン/アンソニー・マッキー/ジョヴァンニ・リビシ/マイケル・ペーニャ/ロバート・パトリック/ミレイユ・イーノス/サリバン・ステイプルトン/ホルト・マッキャラニー/ジョシュ・ペンス/ジェームズ・ハーバート
公式HP:http://www.lagangstory.jp
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