フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ / Fifty Shades of Grey
「この作品の監督のサム・テイラー=ジョンソンって、『キック・アス』や『GODZILLA ゴジラ』のあのイケメン、アーロン・テイラー=ジョンソンの奥さんなんだー。へー。…え、なになに? アーロンより23歳年上だって? 何それ、すごい! しかも、活動する名前すら(アーロン・ジョンソン名義で活動していた彼に自分の旧姓を入れさせてアーロン・テイラー=ジョンソン名義に)変えさせるとは…。こいつ、やりよる。。。」
と、作品とは別のところが気になってしまった映画『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』。
オレ様系イケメンセレブと、どこにでもいるような平凡な女子大生のハーレクインのような出会いをエロチックに描くこの作品、なんか狙いはわかるのですが、いちいち笑ってしまいました。
なんだろ、イケメンというかセレブというのは、女の子は飛行機に乗せれば落ちると思ってるんですかね。
まあ、素晴らしい風景を見下ろし「世界はオレのもの! ついでに、お前の命もオレの手にかかってるんだぜ」と支配感とか全能感を感じられるので、お気に入りなのでしょうか。
<STORY>
学生新聞の取材で若き起業家で大富豪のクリスチャン・グレイにインタビューを行った女子大生のアナ。その後、グレイはアナを強引にお茶に誘うが、アナが惹かれそうになると突然グレイは彼女を退けようとするのだった。しかし、彼から贈り物が届き、戸惑ったアナはそれを返しに彼のペントハウスに行く。すると、彼は彼女の前に契約書を差し出すのだった。グレイはアナに、恋人としてではなく、支配者と従属者として関係を結びたいと言う。
<解説>
モテないわけではないけれど恋愛は未経験のドジな女の子が、あるイケメンと出会い、強引にアプローチされる。
その強引さに最初は反発していたけれど、イケメンのことを知るうちに好きになっていく。
でも、そのイケメンには過去に傷ついた経験があり、そのために女性を本気で好きになれないでいる。
女の子は「私だけが彼を変える」と、彼を幸せにするために努力するのだが…。
こんなプロット、日本の少女漫画でもよくありますね。
というか、感覚的には少女漫画のほとんどがこのパターンに当てはまってしまうような気すらします。
映画『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』も、まさにこのプロットに当てはまります。
このプロットをもとに、イケメンをとんでもなく大金持ちの起業家にして、セックスシーンをたっぷり、さらに“支配者”と“従属者”というSMの要素を持ち込んだ、エロティック・ハーレクイン、もしくはレディースコミック的な作品と言えるでしょう。
この作品、もともとはE.L.ジェームスという女性がネットに投稿していたものが話題になり、出版されて大ヒットした小説を原作にしています。
ある意味、ケータイ小説と同じような性格を持った、一般女性の願望や憧れをどんどん盛り込んでいったような、トゥーマッチな物語なのかもしれません。
この物語で、ドジっ娘女子大生・アナを演じるのは、1989年生まれの女優、ダコタ・ジョンソンが演じています。
最初はあか抜けなかった女の子が、セックスを知り、愛を知って変化していく様子を、オールヌードも辞せず、SMシーンを堂々と演じています。
このアナを変える男・グレイを演じたのはジェイミー・ドーナン。
トゥーマッチなイケメンをいけ好かなくも爽やかに演じています。
まあ、女性のある種の夢を体現したようなキャラクターで、その性格にあまり深みがないので、セックスシーンばかりがフィーチャーされ、俳優としてはかわいそうかもしれませんね。。。
監督のサム・テイラー=ジョンソンは、この若き二人のセックスシーンを、とにかく美しく描いています。
もともとが写真家でアーティストである彼女だけに、エロティックさよりもアーティスティックさに力を入れて演出したのは無理からぬところ。
でも、残念なことに、日本ではかなり大きなボカシが入ってしまっているのですよね。。。
何をしているのか全然わからなかったりもするので、監督が力を入れた部分が、日本でこの作品を観た私達には伝わっていないかもしれません。
『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』(125分/アメリカ/2015年)
原題:Fifty Shades of Grey
公開:2015年2月13日
配給:東宝東和
劇場:全国にて
原作:E.L.ジェームス
監督:サム・テイラー=ジョンソン
脚本:ケリー・マーセル
音楽:ダニー・エルフマン
出演:ジェイミー・ドーナン/ダコタ・ジョンソン/ジェニファー・イーリー/マーシャ・ゲイ・ハーデン/マックス・マーティーニ/リタ・オラ/ルーク・グライムス/エロイーズ・マンフォード/カラム・キース・レニー/レイチェル・スカーステン/ヴィクター・ラサック/ディラン・ニール/アンソニー・コネツニー/アン・マリー・ローダー/アンドリュー・エアリー/エミリー・フォンダ
Official Website:http://fiftyshadesmovie.jp/
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