【映画レビュー】イヴ・サンローラン / Yves Saint Laurent
生前はその早熟な天才ぶりで世のファッショニスタたちを魅了し、死後はその愛と人生で世の映画人を魅了している天才デザイナー、イヴ・サン=ローラン。
この彼の人生をピエール・ニネが演じ、ジャリル・レスペール監督が描いたイヴ・サンローラン財団公認の映画が、本作『イヴ・サンローラン(原題:Yves Saint Laurent)』です。
1994年(『イヴ・サンローラン(原題:Yves Saint Laurent-Tout Terriblent)』)と2010年(『イヴ・サンローラン(原題:Yves Saint Laurent – Pierre Berge, L’Amour Fou)』)には同じ『イヴ・サンローラン』という邦題でドキュメンタリー映画の題材ともなっている彼ですが、本作はドラマとして、俳優のピエール・ニネが彼の人生を演じています。
また、ギャスパー・ウリエルが彼を演じた別の作品『サンローラン(原題:Saint Laurent)』も製作されており、日本での公開が待たれるところ。
これだけ、人びとの製作欲をくすぐるドラマティックな人生を生きたイヴ・サン=ローランの人生、常人からは想像もつかない恍惚と苦悩があったのでしょうね。。。
<STORY>
1957年、クリスチャン・ディオールの死後、イヴ・サンローランは21歳の若さでディオールのメゾンを引き継ぐ。コレクションは成功を収め、イヴは多くの人びとを魅了した。イヴは食事会の席で26歳のピエール・ベルジュと出会い、二人はすぐに恋に落ちる。やがて神経衰弱となったイヴはディオールを解雇され、ピエールと共にイヴ・サンローラン社を設立するのだった。そしてイヴとピエールは公私にわたる生涯のパートナーとして関係を深めていく…。
<解説>
1957年、21歳の若さでクリスチャン・ディオールの後継者となり、それ以来20世紀のファッション界を牽引してきた天才デザイナー、イヴ・サン=ローラン。
オートクチュールから始まり、いちはやくプレタポルテに乗り出した彼。
顧客を呼んでブティックで行われる小規模なショーの時代から、現在のようなS/S、F/Wという年に二度の一大イベントとなるまで、ファッション界の歴史をずっと見て来た人と言えるでしょう。
“モンドリアン・ルック”や“スモーキング”、“サファリ・ルック”など、素晴らしいコレクションを生み出してきた彼には、若くして出会い、生涯を共にしたパートナーがいました。
そのピエール・ベルジュ氏との、愛と仕事を中心とした複雑な関係を、本作では繊細に描いています。
イヴ・サン=ローランを演じたピエール・ニネは、ピエール・ベルジェ氏に「本人じゃないかと思い、動揺して混乱した」と言わしめるほどそっくりなルックス。
彼を知る人は、皆驚いたことでしょう。
イヴ・サン=ローランとピエール・ベルジェのドラマティックな愛、そして彼が築き上げた栄光と葛藤も素晴らしいこの作品、ジャリル・レスペール監督が手がけた脚本をベルジェ氏も読み、そのまま承認したそう。
そして、彼らの愛を描いたこの映画は、イヴ・サンローラン財団公認となったのです。
彼が実際に仕事をしたスタジオやモロッコの邸宅などでロケを行い、財団に保存された本物のイヴ・サンローランの衣装が使用されている本作、まさにファッション界のレジェンドを目撃することができるのです。
そして、この作品にはイヴ・サン=ローランと同時代にファッション界で生きてきた他のレジェンドたちも登場します。
カール・ラガーフェルドやルル・ド・ラ・ファレーズは役として登場するし、名前としてヘレナ・ルビンスタインなども登場したりして、ニヤリとしたりも。
ファッション界にそれほど詳しくない私でも楽しかったので、ファッション業界に興味のある人にとっては、かなり楽しいのではないでしょうか。
『イヴ・サンローラン』(106分/フランス/2014年)
原題:Yves Saint Laurent
公開:2014年9月6日
配給:KADOKAWA
劇場:角川シネマ有楽町、新宿武蔵野館、シネマライズほか全国にて
監督・脚本・脚色:ジャリル・レスペール
出演:ピエール・ニネ/ギョーム・ガリエンヌ/シャルロット・ルボン/ローラ・スメット/マリー・ドビルパン/ニコライ・キンスキー/マリアンヌ・バスラー
公式HP:http://ysl-movie.jp/
KADOKAWA / 角川書店 (2015-03-20T00:00:01Z)
¥5,391
KADOKAWA / 角川書店 (2015-03-20T00:00:01Z)
¥4,653
売り上げランキング: 13,506
売り上げランキング: 13,002
(C)WY productions – SND – Cinefrance 1888 – Herodiade – Umedia