【映画レビュー】世界侵略:ロサンゼルス決戦 / World Invasion: Battle LA
「マリーンズ最強!」
「オレたちは例え死んでも民間人を守るぜ!!」
「撤退NO!!!!」
とばかりに、アメリカ海兵隊の戦士たちが、襲い来る謎のエイリアンからロサンゼルスの街を守ろうと必死で戦う映画『世界侵略:ロサンゼルス決戦』。
「衛星からミサイルって落とせないの?」とか、「アメリカ軍、弱い…」とか、いろいろな考えが頭をよぎった子の作品。
なんか、組織化された巨大な脅威に立ち向かうには、結局ゲリラ戦しかないってことなんですかね。。。
なんだか、いろいろ考え合わせると、かなり皮肉な作品に思えます。。。
<STORY>
海兵隊からの引退を明日に控えたマイケル・ナンツ二等軍曹。任務最後の日、ロサンゼルス市街が正体不明の敵に襲撃された。ナンツ軍曹は若きエリートのウィリアム・マルチネス少尉の下で小隊を指揮し、民間人を救出するミッションに参加することに。三時間以内に、防衛線の外にあるロス西警察署に潜んでいる民間人を救い、前線基地に戻って来なければならない。彼らは瓦礫と化した街に出て、エイリアンたちとの戦いに飛び込んで行く…!
<解説>
実は、この映画のヒントとなる出来事が、1942年に起こったのだそうです。
その名も、“ロサンゼルスの戦い”。
1942年2月25日、発光しながら編隊を組む飛行物体25機がロサンゼルス上空を飛び、それを10万人の市民が目撃しました。
1941年2月に日本軍の潜水艦がカリフォルニア州サンタバーバラ近くで製油施設に砲弾を撃ち込んだという事件があったため、この謎の飛行物体も日本の爆撃機だと推測されました。
アメリカ海軍は58分にわたり、1400発もの対空弾を打ち込んだのですが、飛行物体には一発も命中しなかったのだそうです。
結局、その飛行物体の正体は不明のまま、その真相は今に至るまでわかっていないそうです…。
この“ロサンゼルスの戦い”をモチーフにした映画『世界侵略:ロサンゼルス決戦』は、ロサンゼルスを襲った謎のエイリアンに立ち向かう、アーロン・エッカート演じるナンツ軍曹率いる海兵隊員の戦いを描いています。
この物語の発端は、東京湾から始まります。
未曾有の流星群が東京湾に降り注ぎ、その2時間後に、正体不明のエイリアンたちが、地球各地の海岸沿いにある都市を襲うのです。
つまり、この映画はロサンゼルスが舞台になっていて、ロサンゼルスでの戦いを描いているのですが、事態は世界各地で同時発生的に起こっているのです。
この地球を襲ってきたエイリアンが、また、圧倒的に強いです。
生き物としての生命力も強く、なかなか死なない上に、大量の重火器で、空から陸から、それこそ雨あられと銃弾を振りまいてきます。
ナンツ軍曹率いる正体は、ほぼ圧倒的にエイリアン側に制圧されたロサンゼルスの街で、民間人を移送しながら、エイリアンたちにゲリラ的な戦いを仕掛けます。
世界規模の人類の危機の中で、せめて一矢報おうと、限られた装備のみで戦いを仕掛けるのです。
この映画は言ってみれば、人類VSエイリアンの世界規模の戦いを、ロサンゼルスという一戦闘地で戦っている一兵士の目線、ミクロな目線で描いている映画です。
世界の情勢がどうなっているかとか、エイリアンの本当の正体などは、わからないままになっています。
その分、「オレたちが人類を守る!」というような大きな物語ではなく、「せめて目の前にいるこの民間人の子どもだけは、守り抜こう!」という、人間ドラマにフォーカスしていると言えます。
これだけ大きな規模の世界戦争になると、アメリカ軍の司令基地の作成行動の様子を描くより、実際に戦闘に身を投じている一兵士の行動を描く方が、愛国心も湧き、同じ一人の人間として、リアリティも感じられるということなのでしょう。
それにしても、ロサンゼルスがそんな状態になっているということは、日本なんかはもうすでに壊滅していることでしょうね。。。
私も、東京湾に流星群が降り注いだ時点で、生き延びてないような気がします。。。
『世界侵略:ロサンゼルス決戦』(116分/アメリカ/2011年)
原題:World Invasion: Battle LA
別題:Battle: Los Angeles
公開:2011年9月17日
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
劇場:全国にて
監督:ジョナサン・リーベスマン
出演:アーロン・エッカート/ブリジット・モイナハン/ミシェル・ロドリゲス/マイケル・ペーニャ/Ne-Yo/ラモン・ロドリゲス/コリー・ハードリクト/ジョーイ・キング
公式HP:http://www.battlela.jp/
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント (2011-12-21T00:00:01Z)
¥850