【映画レビュー】東京プレイボーイクラブ
1986年生まれという若き新鋭・奥田庸介監督が手がけた映画『東京プレイボーイクラブ』。
大森南朋と光石研といういぶし銀俳優二人がいい味を出し、若い監督を助けています。
しかし、この二人がいないとどうなっていたかは、ちょっと疑問もあったりも…。
STORY
地元の北九州でトラブルを起こした勝利は、昔の仲間の成吉を訪ねて東京にやって来る。成吉は郊外で「東京プレイボーイクラブ」という風俗店を経営していた。ある日「東京プレイボーイクラブ」のボーイの貴弘が店の金を持ち逃げする。成吉は貴弘の恋人のエリ子を店で働かせることにした。その頃、勝利が地元のヤクザ三兄弟とトラブルを起こす。丸く収めようとエリ子をSMの相手に差し出すが、エリ子は更なる事態を引き起こしてしまう…。
解説
大森南朋がキレキレの流れ者を、光石研が強きを助け弱気をくじく小物の風俗店店主を演じている本作。
自らの半径3メートル以内にしか興味のない小物たちが、なんとか生き残ろうとジタバタもがいているような物語です。
まあ、人間らしいといえば人間らしい人びとを描いた作品なのかもしれません。
さびれた場末感とか古くさい昭和感もよく出ているようには思いますが、そういった細部よりも、もっと描くべきものもあるような気も。
登場人物たちの内面や、なぜ暴力に結びつくかなどがもっと描かれていれば、より理解が深まったような気がします。
多分監督はあえて狙っているのだと思いますが、“どこかで観たような昭和のドラマ”で終わってしまっている感じが惜しいなあと。
古くさく昭和っぽい場末の風俗店が、26歳の若い監督の感覚ではどういう捕らえられ方をしているかが観てみたかったので…。
私も冒頭に書いてしまいましたが、公式サイトや資料などでもまず“1986年生まれの奥田庸介監督”という年齢が売りになってしまっているので、それを売りにするのであれば、もっと“若い監督でないと撮れない”作品を観たかったように思います。
作品情報
『東京プレイボーイクラブ』(96分/日本/2011年)
公開:2012年2月4日
配給:スタイルジャム
劇場:ユーロスペース、シネマート新宿ほか全国にて
監督・脚本:奥田庸介
出演:大森南朋/光石研/臼田あさ美/淵上泰史/赤堀雅秋/三浦貴大/浜崎茜/安藤聖/佐藤佐吉/片倉わき
公式HP:http://tokyoplayboyclub.jp/
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