【映画レビュー】ツーリスト / The Tourist
アンジェリーナ・ジョリーとジョニー・デップという、今世界で最も人気があると言っても過言ではない二人の俳優が共演した大人のミステリー『ツーリスト』。
イタリアのヴェネチアを舞台に、謎の美貌の女性エリーズと彼女の連れとなった旅行者フランクの逃亡劇が始まります。
彼らを追うのはロンドン国際警察・スコットランドヤードの金融犯罪捜査チームとロシア人マフィア。
さながら、優雅な大人の「ルパン三世」といった趣です。
そうそう、この映画のラストシーンを観て、私は2001年の某ジョン様主演のクライムアクションを思い出しちゃいました。
シチュエーションと言い、乗り物と言い、職業と言い、状況がよく似ています。
<STORY>
パリの街角で、警察が一人の美女を見張っていた。彼女の名はエリーズ。国際指名されている金融犯罪犯、アレクサンダー・ピアースを捕まえるため、ピアースの恋人である彼女が見張られていたのだ。ある日、彼女にピアースからのメッセージが届く。「リヨン駅8:22発の電車に乗り、僕の体格に似た男を探せ」エリーズは8:22発のヴェネチア行きの電車に乗り、ピアースに似た体格のアメリカ人旅行者、フランク・トゥーペロに声をかける。
<解説>
パリ、ヴェネチアと、ヨーロッパを舞台にしたこの作品。
エリーズの優雅なドレス、二人の泊まるクラシカルで重厚なホテル、ゴンドラやボートで移動するヴェネチアの街並み、すべてが優雅で洗練されていて、まるでアメリカ映画ではないみたいです。
それもそのはずで、この映画を監督したのは、2006年度のアカデミー賞にて『善き人のためのソナタ』で外国語作品賞を受賞したドイツ人監督、フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク。
『善き人のためのソナタ』では、壁越しに、決して言葉を交わさないままに、真実の想いや心を伝えあうという、複雑なコミュニケーションを描いていました。
本作でも、ドナースマルク監督は、ヨーロッパの街並みを舞台にした静かな大人の心理戦を見せてくれます。
注目してほしいのは、アンジー演じるエリーズと、ジョニー演じるフランクが交わすまなざしや、声に出さないくちびるの動き。
そこには、何かが隠されているかもしれません。
個人的には、インターポールのアチソン警部を演じるポール・ベタニーにも注目してほしいところ。
相変わらずの白皙の美貌ですが、「ルパン三世」で言うところの銭形警部的役回り。
でも、ごくごく平凡なイケてないアメリカ人旅行者を演じているジョニー・デップより、よっぽどステキに見えました。。。
なんにせよ、ヨーロッパを舞台にした大人の犯罪劇を、ゆったりとした心で楽しんでいただきたい一作です。
『ツーリスト』(103分/アメリカ/2010年)
原題:The Tourist
公開:2011年3月5日
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
劇場:日劇3ほか全国にて
監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
出演:アンジェリーナ・ジョリー/ジョニー・デップ/ポール・ベタニー/ティモシー・ダルトン/スティーヴン・バーコフ/ルーファス・シーウェル
公式HP:http://www.tourist-movie.jp/
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