【映画レビュー】アデル/ファラオと復活の秘薬 / Les aventures extraordinaires d’Adèle Blanc-Sec
リュック・ベッソンが自ら監督を務めた映画『アデル/ファラオと復活の秘薬』は、女流冒険作家アデル・ブラン=セックがフランス~エジプトを股にかけて活躍するヒロイン・アドベンチャー。
1976年に初めて発表された、フランスの国民的人気コミックを原作にしているそう。
日本で言うならば、さしずめ「サザエさん」とでも言ったところなのでしょうか。いや、明らかに違うか。
1911年のフランスやエジプトを舞台に、ファラオや翼竜にも負けずに自己を主張しまくる女性・アデル。
いかにもリュック・ベッソンが好きそうなタイプです。(って、別に知り合いでもなんでもないけど)
俳優たちの怪演も楽しく、「うーん、フランス人ってやっぱりおバカ」と思えるような、怪作です。
いや、大好きなんですけどね、こういう感じ。
STORY
1911年、人気冒険作家でジャーナリストのアデル・ブラン=セックはエジプトを訪れていた。植物状態の双子の妹のために、エジプトのファラオが持っているという“復活の秘薬”を手に入れようとしていたのだ。アデルは、王家の墓で発見した医者のミイラをフランスに持ち帰る。その頃、パリでは博物館にあった卵の化石から孵化した翼竜が街を飛び回り、人々を脅かしていた。天才科学者のエスペランデュー教授が、翼竜を甦らせたのだ。
解説
フランスの「バンド・デシネ」の人気シリーズを基とするこの作品。
アデルの冒険は、かなり荒唐無稽、波乱万丈です。
展開も早いので、ちょっと気を抜いていると、今アデルがどこにいて、何をやっているのかわからなくなるほど。。。
でも、この作品には曰く抵抗しがたい魅力があります。
それは何かと言うと、魅力的な登場人物たち。
アデルを盛り立てるベテラン俳優陣が、みんな好き勝手にコミカルなを繰り広げ、怪演ぶりを競っているかのよう。
アデルの宿敵、デュールヴーを演じているマチュー・アマルリックなんて、特殊メイクかと思うほどのメイクを施しており、一見しただけでは誰だかまったくわからなくなっちゃってます。
そして、そんな個性的な登場人物たちの中でも一番光り輝いているのは、やっぱりアデル。
スラリとしたスレンダーボディーで、いろいろな衣装を着こなし、八面六臂の活躍を見せるのです。
アデルを演じたルイーズ・ブルゴワンは、もともとフランスのテレビ番組で様々なコスプレでお天気を伝える「ミス天気予報」として人気を博したというだけあって、20世紀初頭・フランス社会のコスチューム・プレイを楽しんでいる感じも画面から伝わってきます。
そんなに重要だとも思えないシーンで、あっけらかんとヌードを披露しているのも、いかにもフランス女優と言う感じ。
これからの活躍が期待できそうな女優さんです。
そんな『アデル/ファラオと復活の秘薬』、リュック・ベッソンのおバカな感じや悪趣味さが、いい感じに結実した作品と言えるでしょう。
「TAXI」シリーズや『フィフス・エレメント』が好きな人は、きっと好きなはず。
でも、リュック・ベッソン監督作だからと言って『レオン』や『グラン・ブルー』を期待して行くと、かなり裏切られるでしょう。
ここまで大物監督かつ大物プロデューサーになっちゃうと、もう世間の評価とか何にも気にせず好きなものが作れちゃうので、いいですねぇ。。。
作品情報
『アデル/ファラオと復活の秘薬』(107分/フランス/2010年)
原題:Les aventures extraordinaires d’Adèle Blanc-Sec
英題:The Extraordinary Adventures of Adel Blanc-Sec
公開:2010年7月3日
配給:アスミック・エース
劇場:丸の内ピカデリー1ほか全国にて
原作:タルディ
監督・脚本:リュック・ベッソン
出演:ルイーズ・ブルゴワン/マチュー・アマルリック/ジル・ルルーシュ/ジャン=ポール・ルーヴ/フィリップ・ナオン
公式HP:http://adele.asmik-ace.co.jp/
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