【映画レビュー】劇場版 SPEC~結~(クローズ) 爻(コウ)ノ篇
前作『劇場版 SPEC~結~(クローズ) 漸(ゼン)ノ篇』で命を落とした野々村係長の、
「心臓が息の根を止めるまで、真実に向かってひた走れ」
という言葉とおりに、当麻や瀬文、さらに吉川や馬場、鹿浜、猪俣らまでがその刑事魂を見せている映画『劇場版 SPEC~結~(クローズ) 爻(コウ)ノ篇』。
『漸ノ篇』で消化不良だった人びとの心を、すっと溶かしてくれることでしょう。
ま、別のもやもやを発生させる可能性もありますが。。。
しかし、この最後の最後になって、やーっとその世界観の全貌がすべて明かされるというのは、ちょっと物語の進行ペースがおかしいのではないかという気も…。
STORY
スペックホルダーを殲滅するシンプルプランが発動し、御前会議によって隔離されていたスペックホルダーたちは殺されてしまう。当麻はウイルスに感染しながらも、プロフェッサー・Jの正体を突き止めた。プロフェッサー・Jは、セカイたちとともに人類を滅亡させようとしていたのだった。瀬文は当麻を助けるため、セカイたちに立ち向かう。そして、セカイたちの狙いに気付いた当麻は左手の封印を解き、スペックを解放することを決意し…。
解説
本作『劇場版 SPEC~結~(クローズ) 爻(コウ)ノ篇』では、向井理演じるセカイ、大島優子演じる謎の白い女たちの正体が初めて明かされます。
そして、スペックホルダーの真実も…。
けっきょく“御前会議”や“世界会議”(名称不明)などはなんの力もなかったりして、かなり「これまでの物語はなんだったの」と思ってしまう人も多いかも。
それに、“スペック”というものがガイアが彼らに与えた能力だとするのなら、“人間の頭脳の使われていない部分の能力が発現した”というシリーズスタート当初の説明が間違ったものになってしまうのでは。
(私はそんなに熱心にドラマシリーズを観ていたわけで、もしかしたら間違いかもしれないですが、スペックに関してはそういう説明があった気がするのですが…)
さらに、『漸ノ篇』の冒頭の雅ちゃんのアレはなんだったの、という気もしなくはないですが…。
でも、最後に明かされるメッセージ「 」のとおり、彼らはどこかで運命を変えて世界を変えたのだと思えば、それはそれでありなような。。。
でも、それ言っちゃったら結局なんでもありになっちゃうよね、ていう気もするような。。。
個人的にはなんだかスッキリしない終わり方でした。
堤幸彦監督は、長年あたためてきたこのテーマをこういう終わらせ方をしてしまっていいのでしょうか。
「SPEC」シリーズ全体が2時間の映画だったとしたら、一番重要な先人類という登場人物がラスト10分で登場して、一気に10分間その説明だけをして終わっちゃったような感じではないでしょうか。
劇中にも“厨二病”という言葉が出てきますが、まさに堤監督の厨二的な部分をテーマにしつつ、堤監督の大人の部分がテレ隠し的に小ネタなどを散りばめさせたのが、このシリーズなのかもしれません。
作品情報
『劇場版 SPEC~結~(クローズ) 爻(コウ)ノ篇』(85分/日本/2013年)
公開:2013年11月29日
配給:東宝
劇場:全国東宝系にて
監督:堤幸彦
出演:戸田恵梨香/加瀬亮/北村一輝/栗山千明/香椎由宇/有村架純/遠藤憲一/浅野ゆう子/神木隆之介/福田沙紀/城田優/田中哲司/安田顕/真野恵里菜/向井理/大島優子/竜雷太
公式HP:http://www.spec-movie.jp/
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