【映画レビュー】パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉 / Pirates of the Caribbean:On Stranger Tides
ご存知「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズ第4弾となる『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉』。
前三作までのゴア・ヴァービンスキーに代わり、ロブ・マーシャル監督が務めた本作、だいぶこれまでとはテイストが変わっておりますが、エンターテインメント感にあふれた娯楽大作であることには代わりなし。
ただ、前作までの主人公だったカップル、オーランド・ブルームとキーラ・ナイトレイが本作に不参加なこともあって、ジョニー・デップ演じるジャック・スパロウ船長のキャラクターが、ちょっと変わって来ている気がするのだけれど…。
<STORY>
永遠の命をもたらす“生命の泉”。その泉の地図を持つジャック・スパロウは、かつての恋人である女海賊・アンジェリカと、この泉を目指すこととなる。実はアンジェリカは、史上最強の海賊・黒ひげの娘で、死の予言を受けた父親を泉に連れて行こうとしていたのだ。しかし、その泉を目指していたのだジャックたち一行だけではなかった。英国海軍の将校となったジャックの宿敵・バルボッサと、スペイン海軍も、同時に泉に向かっていたのだ。
<解説>
オーランド・ブルーム演じるウィルととキーラ・ナイトレイ演じるエリザベスが主人公である前三作では、裏切ったり裏切られたり、挙動不審でいまひとつ信用しきれない、怪しい海賊だったはずのジャック・スパロウ。
本作では、このジャック・スパロウが名実ともに主人公となり、彼が物語を引っ張っていきます。
ペネロペ・クルス演じるジャックのかつての恋人・アンジェリカと、彼女の父親で有名な海賊である黒ひげと共に、ジャックは“生命(いのち)の泉”を目指して旅立つことに。
対するのは、ジャックの天敵にして、今回は英国海軍に雇われた船長となったバルボッサと、ガリオン船に乗ったスペイン海軍。
海賊・黒ひげ軍、英国海軍(バルボッサ軍)、スペイン海軍、3つの海軍が、同時に“生命の泉”を目がけ、ドタバタの3つ巴のレースを繰り広げるのです。
出し抜いたり出し抜かれたり、裏切ったり裏切られたりのデッドヒートの様子は、観客の目を楽しませてくれます。
でもやっぱり、ウィル&エリザベスのヤング・カップルが抜けた穴は大きいなあ。
ビジュアル面やラブストーリー分は、若き宣教師・フィリップ&美しい人魚・シレーナの純愛で補ってはいるけれど、彼らはまだまだサブキャラでしかありません。
メインキャラであったウィル&エリザベスがいないおかげで、ジャックが主人公となってしまった分、あのジャックのキャラクターの魅力が少し減ってしまった感は否めません。
やっぱり、ジャックはあくまでもうさんくさく、何を考えているのかわからない、気を抜くと裏切って逃げてしまうかもしれないような、そんなひょうひょうとしたキャラクターであってこそ、最大の魅力を発揮するように思うのですが。。。
しかし、この作品が楽しいエンターテインメント作品であることは、間違いありません。
ジャック・スパロウ、アンジェリカ、黒ひげ、バルボッサといったキャラの立った面々が、大海原を舞台にして派手に立ち回る姿を観ているだけでも楽しいもの。
むしろ、ゴア・ヴァービンスキー監督の手による前三部作より、ロブ・マーシャル監督の手による本作の方が、いい意味でのわかりやすい予定調和感がある、ストレートな娯楽作品のような気がします。
最初から最後まで、楽しさがもりだくさんに詰まったこの作品、やっぱり2011年を代表する、娯楽大作のひとつと言えるでしょう。
『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉』(141分/アメリカ/2011年)
原題:Pirates of the Caribbean:On Stranger Tides
公開:2011年5月20日
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
劇場:丸の内ピカデリーほか全国にて
監督:ロブ・マーシャル
製作:ジェリー・ブラッカイマー
出演:ジョニー・デップ/ペネロペ・クルス/ジェフリー・ラッシュ/イアン・マクシェーン/ケヴィン・マクナリー/スティーヴン・グレアム/キース・リチャーズ/アストリッド・ベルジュ=フリスベ/サム・クラフリン/ジュディ・デンチ
公式HP:http://www.disney.co.jp/pirates/
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