【映画レビュー】嘆きのピエタ / 피에타
第69回ヴェネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞したキム・ギドク監督の映画『嘆きのピエタ』。
十字架から降ろされたイエス・キリストを胸に抱く、聖母マリア像、ピエタの名を冠するこの映画、母の愛の強さと息子の弱さ、家族による復讐の恐ろしさを描いた、肌が粟立つような一作です。
<STORY>
母に捨てられて孤独に育ったガンドは、ソウルの工場街で借金取り立ての仕事をしていた。借金が返せない人間に怪我をさせて障害者にし、年金で返済させるのが彼のやり口だった。そんなガンドの家に、ミソンという中年女性がやって来る。彼女はガンドの母親だと主張する。最初は拒否していたガンドだったが、ミソンと共に暮らすうち、彼女を慕い始めた。しかし、ある日ミソンがいなくなりガンドは障害者にした債務者からの復讐を疑う…。
<解説>
ファーストシーンはある人の死で始まり、ラストシーンはある人の死で終わるこの映画。
驚くほどに激しい愛と、壮絶な復讐、そしてピュアな愛情に満ちた作品です。
母の愛を知らず、女性との触れ合いも知らずに生きてきた主人公のガンドは、人に対する慈悲をまったく持たない男性でした。
しかし、やっと手に入れた母の愛のおかげで、“人を愛する気持ち”を初めて知ったのです。
だからこそ、人への愛を知ったとき、人への謝罪の気持ちも手に入れることができたのでした。。。
この物語の中で、主人公のガンドは3人の債務者を手にかけ、彼らを障害者にしています。
しかし、彼は最終的に(程度の差はありますが)その障害者3人の家族から復讐を受ける形になります。
哀しい復讐の物語ではありますが、きっとガンドは安らかな気持ちで旅立てたのではないでしょうか。
でも、あの贖罪の方法は、逆に嫌がらせに近いとも思うけど。。。
『嘆きのピエタ』(104分/韓国/2012年)
原題:피에타
英題:Pietà
公開:2013年6月15日
配給:クレストインターナショナル
劇場:Bunkamura ル・シネマほか全国にて順次公開
監督・製作総指揮・脚本:キム・ギドク
出演:チョ・ミンス/イ・ジョンジン/ウ・ギホン/カン・ウンジン/クォン・セイン/チョ・ジェリョン/イ・ミョンジャ/ホ・ジュンソク/ソン・ムンス/キム・ボムジュン/ソン・ジョンハク/チン・ヨンウク/ユ・ハボク/ソ・ジェギョン/キム・ジェロク/イ・ウォンジャン
公式HP:http://www.u-picc.com/pieta/
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