【映画レビュー】恋とニュースのつくり方／ Morning Glory

2011/1/13 外国映画か行, 映画レビュー

女の子がキャリアアップを目指して仕事を一生懸命こなしつつ、恋にも頑張る話というとアン・ハサウェイ＆メリル・ストリープの『プラダを着た悪魔』などが思い浮かびます。
『プラダを着た悪魔』は、私も大好きな作品ですが、やはり女性には人気がありますね。

この映画『恋とニュースのつくり方』は、『プラダを着た悪魔』の脚本家、アライン・ブロッシュ・マッケンナが脚本を手掛けた作品です。

『プラダを着た悪魔』は、ファッション業界を舞台にアン・ハサウェイが新人アシスタント、メリル・ストリープが鬼編集長を演じていました。

この作品の舞台はテレビ業界。
『シャーロック・ホームズ』のレイチェル・マクアダムスが朝番組の新人プロデューサーを、ハリソン・フォードが頑固な老ニュースキャスターを演じています。

それにしても、アメリカの朝番組の出演者って、みんなかなりお年を召していらっしゃるのですね…。
毎朝「めざましテレビ」を見て、ベテラン男性アナウンサーと若くて可愛い女子アナのきゃっきゃしたやりとりを見慣れている身には、かなり新鮮でした。。。

STORY

地方TV局のプロデューサーを突然クビになったベッキー。必死の転職活動の末、全国放送局の朝番組「デイブレイク」のプロデューサーの座を射止める。しかし、「デイブレイク」は万年低視聴率で局にも見放された番組。ベッキーは立て直しのため、伝説のニュースキャスター、マイク・ポメロイを新しいキャスターに迎える。しかし、視聴率は伸びないまま。上司には「6週間で視聴率を上げなければ番組打ち切り」と宣告されてしまう…。

解説

この映画『恋とニュースのつくり方』は、若い女性が仕事で必死に頑張って成功を目指す物語です。

必死で走りまわって視聴率を上げようとするベッキーの前に立ちふさがる阻害要因のひとつは、“伝説のニュースキャスター”と呼ばれ、硬派なニュースしか扱いたくないという頑固オヤジ。
ハリソン・フォードが、頑なに自分のやり方を通そうとするニュースキャスター、ポメロイを演じています。

この作品の見どころの一つは、このポメロイと周囲の人たちの不協和音たっぷりのやりとり。

ベッキーとポメロイのやり取りはもちろん、朝番組のもう一人のキャスター、コリーンのやり取りも面白い。
番組の最後の「さようなら」をどちらが言うかを取り合って、子どものような争いをする場面など、かなり楽しいです。

このコリーンは、ダイアン・キートンが演じているのですが、彼女がこの役を楽しんでいるのが伝わってくるよう。
この作品で、ダイアン・キートンは肉襦袢を着て相撲に挑んだり、50CENTと一緒にヒップホップを披露したり。
意外な姿を見せてくれます。

彼女が弾ければ弾けるほど、仏頂面をしたポメロイとの対比が際立ち、逆に視聴者には受けて、視聴率が上がってくるという流れ。

そして、ポメロイがいつベッキーを認め、番組に溶け込むのかが、大きなキーポイントになるのですが…。

お顔のたるみがちょっと目立つようになったハリソン・フォード、年齢を感じさせるビジュアルが、頑固ジジイっぷりにぴったりです。
自分の積み重ねてきた仕事にプライドを持ちつつ、孤高に生きるのにも疲れを感じてきた男の悲哀も感じさせたり…。
さすが、大スターの存在感です。

『ノッティングヒルの恋人』のロジャー・ミッチェル監督が、『プラダを着た悪魔』の脚本家とタッグを組んで送るこの『恋とニュースのつくり方』、軽い気分で楽しめるワーキングガール・ラブコメディです。

「イケてる彼とせっかくセックスの関係まで持ち込めたのに、そんなプライベートもほっぽって必死で仕事してんのよ！」というベッキーのセリフに共感できるそんな女性なら、きっと楽しめるはず。

テレビ局やニュース番組を舞台にしている作品だけあって、意外なスターたちがカメオ出演しているのも楽しいですね。
残念ながら私は知らなかったのですが、アメリカの超有名キャスター3人が揃って出演しているシーンもあるので、アメリカのニュース番組を見ていた人なら、きっともっと楽しめるかもしれません。

作品情報

『恋とニュースのつくり方』（107分／アメリカ／2010年）
原題：Morning Glory
公開：2011年2月25日
配給：パラマウントピクチャーズジャパン
劇場：丸の内ピカデリーほか全国にて
製作：J・J・エイブラムス／ブライアン・バーク
監督：ロジャー・ミッチェル
脚本：アライン・ブロッシュ・マッケンナ
出演：レイチェル・マクアダムス／ハリソン・フォード／ダイアン・キートン／パトリック・ウィルソン／ジェフ・ゴールドブラム／ロイド・バンクス／トニー・ヤーヨ／ノア・ビーン／ジェフ・ヒラー／ジョン・パンコウ／リンダ・パウエル
公式HP：http://www.koi-news.jp/