【映画レビュー】潔く柔く きよくやわく
いくえみ綾原作のコミックスを映画化した『潔く柔く きよくやわく』。
長澤まさみが瀬戸カンナという一人の女の子の高校生時代から社会人までを演じています。
この長澤まさみ演じるカンナちゃん、成長して映画宣伝会社の新人宣伝マンを演じているのですが…。
映画宣伝マンとやりとりをすることの多い私から見ると「宣伝マンってこんな楽な仕事じゃないでしょ!」と、思わずかなりの違和感が…。
まあ、映画の方はそれほどでもないのですが、原作のカンナちゃんは、映画の試写プレゼント案内をもって編集部に挨拶に行くだけ、メールで媒体の人とやり取りをするだけの簡単なお仕事で、土日も普通に休んでいたり、スターが来日するプレミアイベント終了後、すぐに帰ってたり。
いやー、紙媒体の宣伝マンと、私がよくやり取りするWEB媒体の宣伝マン、電波媒体の宣伝マンはもしかしたら違うのかもしれないけれど、それにしても、あんなゆるい仕事ぶりじゃとっても宣伝マンは勤まらないよね。。。
この映画を宣伝している宣伝会社の女性たちは、どう思っているのか、ちょっと聞いてみたかったりするところです。
ホント、宣伝マンの皆さんの誠実な仕事ぶりには、いつも感謝しているのです。
みなさんの細かい所まで手が届く仕事ぶりには、いつも感動させられます。。。
それにしても、カンナちゃん、もうちょっと仕事もやった方がいいと思うよ。
媒体の人とあんなことしてたら、会社の信用なくなっちゃうよ。。。
<STORY>
高校一年生の瀬戸カンナは、幼なじみの春田一恵(ハルタ)とお互いに意識しあっていた。しかし、その関係は曖昧なまま、ある夏の日、ハルタは交通事故で帰らぬ人となってしまう。それから8年、大人になり映画宣伝会社に務めるカンナは赤沢禄という編集者に出会う。禄には、一緒に交通事故にあった女の子に死なれてしまったという過去があった。罪悪感を抱えたまま生きて来たカンナは、核心を突く禄に反発しながらも惹かれていく…。
<解説>
映画『潔く柔く きよくやわく』は、中学生の頃に大事な人を亡くしてしまった瀬戸カンナと、小学生の時に友だちと一緒に事故に遭い、自分だけ助かってしまった赤沢禄の物語です。
物語の始まりは、彼らの高校時代。
長澤まさみ、高良健吾、中村蒼、波瑠という、あまり高校生には見えにくい面々が、無邪気に高校一年生を演じています。
彼らは幼なじみのカンナ×ハルタ、マヤ(中村蒼)×朝美(波瑠)という二組で行動しつつも、マヤとカンナが急接近していきます。
そしてマヤとカンナがこっそりと二人で花火大会に出かけた日、ハルタは交通事故で死んでしまうのです。。。
そして、8年後。
岡田将生演じる赤沢禄と出会ったカンナは、ハルタに囚われ、15歳のまま、成長を止めていた心を、やっと解放できるようになります。
この赤沢禄も、小学校の時に、自分にかまってくる同級生の女の子・希実を突き飛ばし、一緒に交通事故に遭ってしまったという過去を持っています。
彼も即死してしまった希実に囚われていたのですが、池脇千鶴演じる希実の姉・愛実の力を借りて、立ち直れるようになったのです。
赤沢禄と出会い、カンナは罪悪感との付き合い方に気付き、一歩踏み出す勇気を得るのですが。。。
実はこの原作コミックスは、13巻からなっています。
様々な登場人物たちが登場し、絡み合いながら描かれる本作では、瀬戸カンナや赤沢禄、朝美やマヤ、ハルタの従兄弟の小峰清正、カンナの友人の千家百加ら、その他様々な人びとが主人公として入れ替わり立ち替わり登場し、様々な視点から物語が描かれていきます。
映画は、この中の瀬戸カンナと赤沢禄の物語のみをピックアップして進んでいくのですが、禄と愛実の物語などは、映画の観客には多少わかりにくいところも。
禄の救済ももちろんこの物語の大きなポイントではあるのですが、映画だけを観る観客には、ちょっと唐突すぎるように思える気もします。。。
できれば、映画を観る前にコミックスを読んでおくと、ストーリーの裏に隠された傍役たちの細かい心情などもわかり、よりこの映画を楽しめることでしょう。
『潔く柔く きよくやわく』(127分/日本/2013年)
公開:2013年10月26日
配給:東宝
劇場:全国にて
原作:いくえみ綾
監督:新城毅彦
脚本:田中幸子/大島里美
出演:長澤まさみ/岡田将生/波瑠/中村蒼/古川雄輝/平田薫/田山涼成/和田聰宏/MEGUMI/池脇千鶴/高良健吾/大滝愛結
公式HP:http://www.kiyoku-yawaku.com/
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