【映画レビュー】カメラを止めるな!
「ゾンビもので、生中継で、ワンカット」という言葉が、コンセプトを明確に語っている映画『カメラを止めるな!』。
映画監督&俳優養成スクールのENBUゼミナールのシネマプロジェクトの一環として作られたこの作品、300万円という低予算、新人監督、無名俳優という作品でありながら、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭ほか、イタリアやブラジル、韓国やチェコなど、国内外の映画祭で高く評価されている作品です。
<STORY>
とある廃墟で、ある自主映画の撮影が行われていた。ゾンビに襲われる演技がうまくできない女優に監督は当たり散らし、撮影はしばし中断となる。落ち込んだ女優は、ゾンビ役の俳優やメイク担当のスタッフと話をしているうち、その撮影現場に何かいわくがあることを知る。物音に振り向くと、そこにゾンビ姿のカメラマンが現れる。冗談かと思っていたが、彼は本当にゾンビになっていた。女優たちは必死で襲い来るゾンビと戦うのだが…。
<解説>
内容をまったく知らずに観た方が、絶対に楽しめるこの作品。
ゾンビ映画を作るという目標に向かってがむしゃらに頑張る登場人物たちの姿に、思わず笑って泣いてしまいそうになる感動作です。
最初のうちはいろいろと違和感や演出の荒さ、謎の演出などに疑問を持ったりもするわけですが、そのすべてに理由があって、それが後からの笑いや感動につながるという…。
映画好きの仲間たちが集まって、手弁当で作ったからこそできたという、奇跡のようなワークショップ映画と言えるでしょう。
『カメラを止めるな!』(96分/日本/2017年)
英題:ONE CUT OF THE DEAD
公開:2018年6月23日
配給:アスミック・エース=ENBUゼミナール
劇場:新宿K’s Cinema、池袋シネマ・ロサにて
製作:ENBUゼミナール
監督・脚本・編集:上田慎一郎
歌:山本真由美
音楽:永井カイル
出演:濱津隆之/真魚/しゅはまはるみ/長屋和彰/細井学/市原洋/山﨑俊太郎/大沢真一郎/竹原芳子/浅森咲希奈/吉田美紀/合田純奈/秋山ゆずき/イワゴウサトシ
Official Website:http://kametome.net/
Rambling RECORDS (2018-09-07)
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