はさみ hasami

理容美容専門学校の教員と生徒たちの葛藤と成長を描いた映画『はさみ hasami』

池脇千鶴が教員として、徳永えり窪田正孝ら問題児の悩みに体当たりでぶつかっていく様子を描いています。

学校が舞台ということもあり、学校の授業で見る教育映画のような雰囲気を感じてしまったりも…。

<STORY>
中野にある理容美容専門学校の美容科教員の久沙江。技術の向上を目指し毎日指導に励んでいるが、生徒の中には問題児も。学校をサボりがちな弥生は、アーティストの恋人との関係に悩み、技術面でもスランプに陥っている。情緒不安定な洋平は、家庭の問題に傷つき、人とうまく関係を築けないことに悩んでいる。学生時代、自分もスランプに悩んだ経験を持つ久沙江は、先輩教師の助言を得ながら、そんな彼らに体当たりでぶつかっていく。

<Cheeseの解説>
この作品、オール中野区後援ということで、中野区のあちこちでロケーションが行われているので、東京近郊の方には見慣れた風景が多く登場します。
「お、この専門学校はあの建物を使用してロケしてるんだな…」などと、元の建物がわかったりするのは、ちょっと面白かったですね。

自分の生き方に悩んで迷走する生徒たち(徳永えり、窪田正孝)。
若手教員(池脇千鶴)は生徒たちを指導しようとするが、自分自身もどうしたらいいか迷っています。
そんな若手教師を学生時代から指導しているベテラン教員(竹下景子)は、そっと彼女を見守り、さりげなく彼女が正解に気付けるように導いていくのです。

言ってみれば、成長過程で誰もが通る悩みに苦しむ若者を、年長者が導く構図が二重になっているのですね。

というわけで、やはり“気付き”と“成長”、“教育”が大きなテーマになっており、エンターテインメント作品として楽しむにはちょっと弱い作品です。

とはいえ、美容師のテクニックの数々や、美容学校でいろいろな授業をしている様子(着物の着付けの練習って、今でもするのですね)、美容院の裏側などが見られるのは、ちょっと面白かったです。

というか、美容院を経営している叔母が何人かいて、幼い頃は美容院に預けられたりすることも多かったので、ベテラン美容教員を演じている竹下景子さんの、いかにも“美容師っぽい”雰囲気とかが懐かしく、個人的に懐かしく楽しんだのでした。

『はさみ hasami』(112分/日本/2010年)
公開:2012年1月14日
配給:アートポート
劇場:新宿K’sシネマほか全国にて順次公開
監督:光石富士朗
出演:池脇千鶴徳永えり窪田正孝綾野剛烏丸せつこ竹下景子/なんしぃ(大好物)/樋浦勉白石まるみ/拳也/石丸謙二郎
公式HP:http://artport.co.jp/movie/hasami/

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