【映画レビュー】ココ・シャネル / COCO CHANEL
女性の憧れのハイブランド、シャネルの創始者、ガブリエル・シャネルの“女の一代記”とでもいうべき映画『ココ・シャネル』。
71歳になったシャネルが、過去の自分を回想するというスタイルで、過去の恋愛や“シャネル”ブランドが確立していく様子を描き出します。
シャーリー・マクレーン演じるシャネル、おばあちゃんになってもカッコ良いです!
でも…、私的には、同時期に公開されている別の映画『ココ・アヴァン・シャネル』の方が好きかなぁ…。
STORY
1954年、71歳になったココ・シャネルは、15年ぶりのコレクションを発表。しかし、前評判が高かったこのコレクションが、顧客や批評家たちから酷評されてしまう。シャネルは孤児院に預けられた幼い頃から出会ってきた、困難の数々を思い出す。その中には運命の恋人、ボーイ・カペルとの出会いや悲しい別れもあった。シャネルは“別れ”や戦争による物資不足など、数々の困難を糧にして、現在の地位を築いて来たのだった…。
解説
この映画は71歳のシャネルが若き日の苦労話や恋愛話を振り返りながら、回想形式で進んで行きます。
全体を通して描かれるのは、シャネルの“強さ”と“揺るぎない自信”。
これだけの強い自我とスタイルを持った女性だからこそ、今のシャネル帝国を作り上げられたのだなあと実感させられます。
若い頃のシャネルも素敵なのだけど、圧巻なのは一度成功を手にしながら、70歳を越えて世間の酷評にさらされた時の彼女の振る舞い。
あくまでも自分の主張を曲げず、挑戦を恐れず、古くからのビジネス・パートナーの説得にも負けないパワフルおばあちゃんです。
一度成功を手にしてしまうと、失敗を恐れて小さくまとまってしまう人が多い中、あくまでも挑戦を続ける姿には脱帽です。
また、シャネルのビジネス・パートナーであるおじいちゃん、マルク・ボウシエにも注目です。
実はこの人、『時計じかけのオレンジ』でアレックスを演じた俳優、マルコム・マクダウェルさん。
あんなに乱暴者だったアレックスが、こんな落ち着いたおじいちゃんに…、と思うと、なんだか諸行無常を感じさせますね。
ちなみに、同時期に上映されている『ココ・アヴァン・シャネル』は、『アメリ』のオドレイ・トトゥがシャネルを演じている、フランス語で描かれたフランス映画。
(『ココ・シャネル』は英語で描かれたイタリア・フランス・アメリカの合作映画です。)
シャネルの若き日から成功までを描き、老後の姿は描いておりませんが、その分、シャネルの定番アイテムの誕生までのエピソードを細かく描いています。
好みは人それぞれだと思いますが、両作品を観比べるのも楽しいかと思います。
作品情報
『ココ・シャネル』(138分/イタリア・フランス・アメリカ/2008年)
原題:COCO CHANEL
公開:2009年8月8日
配給:ピックス
劇場:Bunkamuraル・シネマ、TOHOシネマズシャンテ、新宿武蔵野館ほか全国にて
監督:クリスチャン・デュゲイ
出演:シャーリー・マクレーン/バーボラ・ボブローヴァ/マルコム・マクダウェル
公式HP:http://coco-chanel-movie.jp/
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