【映画レビュー】きみがくれた未来 / Charlie St. Cloud
>まるで少女まんがの主人公のような、ザック・エフロンのキラキラした魅力を堪能できる映画『きみがくれた未来』。
これは素直にいい意味で言っているのですが、ザック・エフロンは、本当に“クラスのヒーロー”のような男の子の役が似合いますね。
勉強もスポーツもできて、足も早くて、でも性格もいいから男の子からも女の子からも人気がある、っていうような。
彼の生き生きしたプラスイメージの魅力があるからこそ、“死”というものが大きなひとつのテーマになっているこの作品が、キラキラとした美しい自然などの“生”のイメージに満ち溢れたものになっているのだと思います。
この作品のイメージは、一言で言うと“きらめき”だなぁ。。。
こんなキラキラ感あふれる若者映画、久しぶりに観た気がします。
<STORY>
ヨット部のヒーローとして、奨学金で名門大学への入学が決まっていたチャーリーは、卒業式の夜、11歳の弟・サムを乗せての運転中に、交通事故に遭う。チャーリーは一命を取り留めたものの、サムは帰らぬ人となる。しかし、サムの葬儀の日、チャーリーは森の中でサムと会い、毎日夕方に野球の練習をしようと約束をする。チャーリーは進学を辞め、サムの墓のある墓地の管理人となり、5年間、毎日サムと野球の練習をしていた…。
<解説>
なんとなく、勝手な思い込みで難病の弟と兄を描いた兄弟愛の話かと思って観に行ったのですが、実際はまったく違っていました。
交通事故で死んでしまった11歳の弟・サムの想い出に捕らわれ、自分の人生を生きられていない兄・チャーリーが、自分の人生を取り戻すまでのお話です。
ストーリー開始早々、弟は交通事故であっさり死んでしまいます。
そして、その葬儀の日、悲しみに暮れるチャーリーの前に、生きている時そのままのサムが現れます。
このサムは、いわば幽霊です。多分、チャーリー以外にはその姿は見えないのでしょう。
そして、サムと交流している内に、チャーリーは幽霊の姿が見えるようになるのですね。
幽霊が見えると言っても、まったくホラーなお話ではありません。
墓地の管理という仕事をしながら、たまに亡くなった友人と会話をしたりする程度。
恐ろしさや暗さはまったく感じられません。
そうやって、墓地の管理をしている時に、高校時代のヨットのライバルだった女子生徒・テスが単独世界一周ヨットレースに挑戦する、というニュースを聞きます。
そして、父親の墓参りにやって来たテスと、偶然再会。
テスの挑戦をうらやましく思いながら、サムのためにもこの土地からは離れられないとチャーリーは葛藤。
自分は何のために生き残ったのか、何をするために自分は生き残らされたのか…。
この作品、ジャンルで言うならば“ゴーストもの”の範疇に入るのだと思うのですが、なかなかヒネりが効いています。
なるほどね、そうきたか!という感じ。
また、陽光のきらめくヨットレースや、木漏れ日が降り注ぐ森の中など、自然の描写がとても美しい。
おさえきれない生命感や躍動感にあふれているのです。
ザック・エフロンがこぼす涙も美しいし、サムを演じた子役のチャーリー・ターハンくんも可愛らしいし、雨の中でじゃれあう兄弟も楽しい。
鑑賞後は、なんだかすっきりした気分になれます。
最近“きらめき”が足りないなぁと感じている方、この作品で若さのきらめき、自然のきらめきを存分に吸収して観てはいかがでしょう。
夢にきらめけ!
『きみがくれた未来』(99分/アメリカ/2010年)
原題:Charlie St. Cloud
公開:2010年12月23日
配給:東宝東和
劇場:TOHOシネマズみゆき座ほか全国にて
原作・製作総指揮・脚本:ベン・シャーウッド
監督:バー・スティアーズ
脚本:クレイグ・ピアース/ルイス・コリック
出演:ザック・エフロン/アマンダ・クルー/チャーリー・ターハン/キム・ベイシンガー/レイ・リオッタ/ドナル・ローグ/オーガスタス・プリュー
公式HP:http://kimi-mirai.jp/
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