【映画レビュー】ベイマックス ／ BIG HERO 6

いつもオーナーの健康を気遣ってくれる健気なケアロボット。
充電が切れるとまるで酔っぱらいのようになるけれど、ご主人様の精神状態を向上させるためなら水の中、空の上、怪しい工場など、どこへでもついて来てくれるロボット、欲しいと思う人も多いでしょう。

そんなケアロボットと、ケアロボットの開発者の弟・ヒロの交流を描く映画が『ベイマックス』です。

マーベル作品に、ジョン・ラセター率いるディズニーがさらなる魔法をかけたこの作品、孤独な少年が成長し、人と友情を育めるようになっていく様子を描いた、愛とアクションたっぷりの、新機軸の戦隊ヒーロー物語です。

14歳の天才少年ヒロは、兄のタダシと叔母のキャスとサンフランソウキョウに暮らしている。兄タダシの薦めでサンフランソウキョウ工科大学の入学を目指す、ヒロはマイクロボットを発明。タダシの師事するキャラハン教授にマイクロボットを認められたことを喜んでいたのも束の間、タダシが火事で帰らぬ人となってしまう。ある日、喪失感でいっぱいのヒロのもとに、タダシがヒロのために作ったケアロボット、ベイマックスがやって来る。

実は、この作品の原作はマーベル・コミックスの「BIG HERO 6」になります。

2009年にウォルト・ディズニー・カンパニーに買収されたマーベル・エンタテインメントは、ディズニー傘下の会社となっています。
『アベンジャーズ』、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』などの作品の配給を手がけているウォルト・ディズニー・スタジオ、アニメとして映画製作できるマーベル作品は何かないかと探した結果、見つかったのがこの原作「BIG HERO 6」だったそう。

監督を手がけたドン・ホールは、数々のマーベルのコミックスの中から、日本人が主人公で日本のポップカルチャーの影響が感じられるコミックス「BIG HERO 6」を見つけ出します。
そして、その作品の設定をもとに、ディズニーの魔法を使って“ベイマックス”というキャラクターを新たに作り上げ、新たな物語へと昇華させたのです。

この物語の主人公は、14歳の天才少年・ヒロ。
マイクロボットという画期的な発明をして尊敬するキャラハン教授から認められ、兄・タダシの在籍するサンフランソウキョウ工科大学への入学を許可された日に、兄とキャラハン教授を火災で亡くしてしまいます。
ショックを受けるヒロのところにやって来たのは、ケアロボットのベイマックスと、タダシの4人の友人たち。

彼らに立ち直りのきっかけを与えられたヒロは、兄が巻き込まれた火災事故に隠された秘密を知り、その真犯人を暴こうと、立ち上がるのです。
そのために、ベイマックスの装備をパワーアップして改良し、自分にもパワードスーツを用意。
さらに、兄の友人たち、ハニー・レモン、ゴー・ゴー、ワサビ、フレッドらも自分の研究結果を活かしたパワード・スーツを着用し、6人で“BIG HERO 6”として立ち上がるのです！

彼らの活躍ぶりは、まさにヒーロー戦隊そのもの。
悪の存在を知り、その悪を原因を取り除こうと、力を合わせて命をかけた冒険に出る彼ら。
そして、仲間のための自己犠牲精神なども、正義を貫こうとする精神なども、まさにヒーローそのものと言えるでしょう。

自分の才能を活かす術を手に入れた少年が出会いと別れを経験し、さらに自分の進むべき道を見つけていく姿を描くこの作品、家族愛、友情、冒険などがたっぷりとつまったヒーロー・アクション・アニメです。
マーベル作品のお約束でもあるあの方ももちろん登場するので、忘れずに探してみてください。