【海外ドラマ】V シーズン1 / V (2009)
1983年のSFドラマ「V/ビジター」を2009年の技術でリメイクした「V」。
「ある日突然、巨大な宇宙船に乗って地球にやって来た宇宙人が、人類と友好関係を築くも、実はその裏には大きな目的が…」という基本プロットはそのままに、パワーアップしたSFX技術で迫力の物語が進んでいきます。
1983年版は、“巨大な力に簡単に洗脳され、操られてしまう人間の弱さ”と、“洗脳に負けずに真実を見抜き、戦い抜くレジスタンスの勇気と強さ”などのテーマを比喩的に描いていたように思います。
対する2009年版は、それほどのテーマ性はないような…。
でも、格段に進歩したSFX技術と、エンターテインメント性たっぷりのドラマ作劇術で、迫力のSFドラマに仕上がっているので、これはこれで充分面白いと思います。
<STORY>
ある日、世界29大都市の上空に巨大宇宙船が飛来する。宇宙船からは人間の美男美女のような“ビジター(来訪者)”が登場し、地球の人類と友好的な関係を築きたいと求めてきた。ビジターの代表者はアナという女性。彼らは水を交換条件に、最先端の医療技術を提供してくれるという。ニューヨークのFBI対テロ戦略部の捜査官エリカは、捜査中に相棒だった男に襲われる。実はその男はビジターで、何年も前から地球に潜伏していた一人だったのだ…。
<解説>
このドラマは、FBI捜査官・エリカを中心とするレジスタンスの闘いと、ビジターの女王・アナを中心とする地球侵略作戦という2つの目線から描いています。
レジスタンスの中心となるのは、以下の人物たち。
シングルマザーであるFBI捜査官・エリカ。
ビジターの登場で信仰心が揺らいでしまった神父・ジャック。
実は以前から地球に潜伏していたビジターの一人・ライアン。
レジスタンスたちは、ビジターでありながら地球侵略に反対している“第五部隊”と呼ばれる反乱部隊の生き残りたちを集め、ビジターに闘いを挑むのです。
ここに、ビジターに憧れるエリカの一人息子・タイラーとアナの娘・リサの恋や、野心を抱いてアナに取り入るジャーナリスト・チャド、ビジターとのハイブリッド・ベビーを身ごもってしまったライアンの恋人・バレリー、ビジターに狙われた犯罪者・ホッブスらが絡み、ドラマが展開していきます。
1983年版と比べると、あのトカゲ型宇宙人の描写もかなりバージョンアップし、かなりリアルになっています。
やっぱりSFXの進歩ってすごいですね。。。
また、前作のビジターの総司令官だったダイアナは、ビジターのもっとエラい人の愛人的立ち位置で立場が危うかったのに対し、今回の総司令官であるアナは、“女王蜂”とか“女王蟻”的な絶対的女王になっています。
そう考えると、2009年版のビジターはより“人間離れした”というか、より“トカゲっぽい”存在だと思います。
人類側に関して言うと、1983年版はレジスタンスの輪がどんどん広がっていって、かなりの人数がレジスタンス活動に参加していたのですが、2009年版のレジスタンスはエリカのチームのほぼ4人のみ。
1983年版の人類の方が、2009年版より賢く真実を見抜く目を持っていると言えるのでしょうか。。。
海外ドラマのご多分に漏れず、第1シーズン最終話はかなり中途半端な状態で終わっていますが、なかなか見応えはある作品だと思います。
まあ、視聴率不振でシーズン2で打ち切りになってしまったとのことですが。。。
第1話「来訪者(ビジター)/Pilot」
第2話「疑惑(ダウト)/There Is No Normal Anymore」
第3話「第五部隊(レジスタンス)/A Bright New Day」
第4話「月の裏側(ダークサイド・オブ・ザ・ムーン)/It’s Only the Beginning」
第5話「治療薬(Rシックス)/Welcome to the War」
第6話「潜入(スニーク・イン)/Pound of Flesh」
第7話「犠牲者(ビクティム)/John May」
第8話「救世主(メシア)/We Can’t Win」
第9話「兵士(ソルジャー)/Heretic’s Fork」
第10話「人間性(ヒューマン・ネイチャー)/Hearts and Minds」
第11話「容疑者(サスペクト)/Fruition」
第12話「開戦(レッド・スカイ)/Red Sky」
<関連作レビュー>
V/ビジター / V (1983~1984年):http://c-movie.jp/drama/v-1983/
「V シーズン1」(全12話/アメリカ/2009~2011年)
原題:V
企画・原案:ケネス・ジョンソン
製作総指揮:スコット・ローゼンバウム/イヴ・シモノー/スコット・ピータース/ジェイス・ホール
出演:エリザベス・ミッチェル/モリーナ・バッカリン/ジョエル・グレッチ/モリス・チェスナット/スコット・ウルフ/ローガン・ハフマン/ローラ・ヴァンダーヴォート/ローデス・ベネディクト/チャールズ・メジャー/アラン・テュディック/ニコラス・リー/オデッド・フェール
公式HP:http://wwws.warnerbros.co.jp/v-visitor-dvd/mainsite/
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