【映画レビュー】ローン・レンジャー / The Lone Ranger
あの「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズを世界的大ヒットに導いたジェリー・ブラッカイマー(製作)、ゴア・ヴァービンスキー(監督)、ジョニー・デップ(出演)が再び手を組んだ最新作『ローン・レンジャー』。
これぞまさにアトラクション・ムービーというに相応しいアクションが満載のこの作品。
特に終盤の列車の中と外を縦横無尽に駆使した列車アクションは、3年後くらいにディズニーランドのアトラクションで体感できることでしょう。
ウィリアム・テル序曲と共に繰り広げられるこのアクション、「すごいアクションだなあ」、「すごい大掛かりだねえ」と感心はするのですが…。
「それは物理的にもありえないよね…」と思えるようなおかしなシーンもあったりも。
それにしても、タイトルロールのローン・レンジャーを演じるアーミー・ハマー、本当にかなりの大物ですね。ジョニー・デップがなんだかとっても小さく見えました。。。
<STORY>
テキサスに向かう列車で、無法者のブッチ・キャヴェンディッシュとコマンチ族の悪霊ハンター、トントが護送されていた。その列車をキャヴェンディッシュの一味が襲い、彼を逃走させようとする。そこに乗り合わせた若き検事のジョン・リードは、キャヴェンディッシュを捕まえようとするが、取り逃がしてしまう。8年ぶりの故郷に戻ったジョンは、テキサス・レンジャーである兄のダンと共に、キャヴェンディッシュを追うことにするのだが…。
<解説>
白いカウボーイハットに黒いアイマスク姿の死から蘇ったヒーロー、ローン・レンジャー(ジョン・リード)と、白塗りの顔に戦いの文様を施し、頭にカラスを乗せた悪霊ハンター、トントのコンビが、テキサスの荒野で共通の敵を追うこの物語。
トントは本来、ダン・リードを蘇らせたかったのですが、なぜか生き返ったのは弟のジョン・リード。
そこでトントはジョンのことを“キモサベ”と呼びます。
“キモサベ”の意味は、劇中で“Wrong brother”と説明されています。
つまりは“間違った弟”、“ふさわしくない弟”とでもいうところでしょうか。
そもそも、メインキャラの二人、トントが悪霊ハンターで、ローン・レンジャーは彼の力で生き返ったヒーローという設定で、いろいろファンタジックだったり神秘的な要素も多く含んでいます。
それが最も顕著な存在は、ローン・レンジャーの魂を蘇らせるスピリット・ホースの白馬・シルバーくんです。
彼は、美しい真っ白な白馬なのですが、やることはけっこう面白く、場面場面で一人で笑いをさらいます。
どうやら高い所が好きみたいで、いろいろ意外なシーンでありえない登場の仕方をしてくれます。
まあ、シルバーのシーンやアクションシーンなど、クスッと笑えるシーンは多いのですが、それがなかなか持続しない感じなのが苦しいところでしょうか。
そこそこ面白いのに、なかなか弾けないと言うか。
さらに、意外にも、“先住民を迫害するアメリカ入植者”といった、エンターテインメント作品には珍しく政治的に難しいテーマを盛り込んできたりもしています。
セクシュアルマイノリティっぽいキャラクターや、差別的な表現などもあったりして、なかなかチャレンジングな作品だとも言えるでしょう。
『ローン・レンジャー』(150分/アメリカ/2013年)
原題:The Lone Ranger
公開:2013年8月2日
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
劇場:全国にて
監督・製作:ゴア・ヴァービンスキー
製作:ジェリー・ブラッカイマー
出演:アーミー・ハマー/ジョニー・デップ/へレナ・ボナム=カーター/ウィリアム・フィクナー/ルース・ウィルソン/ジェームズ・バッジ・デール/トム・ウィルキンソン/バリー・ペッパー/メイソン・クック/ジェームズ・フレイン/ハリー・トレッダウェイ
公式HP:http://www.disney.co.jp/loneranger/
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