赤ずきん / Red Riding Hood
人狼が出るという陰惨な歴史を持つ村で、美しく成長した少女・ヴァレリーをめぐる恋の鞘当てと、“人狼は誰なのか”を探るゴシック・ホラー『赤ずきん』。
童話の「赤ずきんちゃん」の内容、けっこう忘れてしまっていたのですが、本作を観ているうちにだんだんと思い出しました。
そういえば、あんなグロシーン、あったあった。
大きな瞳のアマンダ・サイフリッドが赤いケープをなびかせて白い雪山を歩くシーンは、なんとも美しい。
映像的には、かなり見応えのある一作です。
<STORY>
山深い寒村に暮らす美しい娘・ヴァレリーは、村一番の裕福な若者・ヘンリーとの結婚を両親に決められていた。しかし、彼女には幼い頃からの恋人・ピーターがいた。ピーターとヴァレリーが駆け落ちしようと決めた時、ヴァレリーの姉が狼に殺されたという知らせが入る。約束を破った狼への復讐を誓う村へ、有名な人狼ハンターのソロモン神父一行が現れる。「狼は人の姿をして近くに潜んでいる。隣人や友人が、実は狼かもしれない!」
<Cheeseの解説>
この作品の監督を務めるキャサリン・ハードウィックの前作は、映画『トワイライト~初恋~』。
『トワイライト~初恋~』<と言えば、ヴァンパイアと人間の禁断の愛を描いた、ティーンに大人気の作品。
本作でも、人狼と人間のコミュニケーションや愛、寒村の中での思わせぶりなシーンなど、『トワイライト~初恋~』を思わせるシーンが多くあふれています。
本作『赤ずきん』では、童話をモチーフに、貧しい村に暮らす美しい少女が狭い村の中で多くのことを体験し、“自分の幸せ”を選び取るまでを描いています。
彼女が体験することとは…。
初恋、疑惑、嫉妬、誘惑、羨望、差別、安心、冒険、確認、など。
ジェレミー・アイアンズの息子、マックス・アイアンズ演じる、裕福ではあるけれどもどこか頼りないヘンリー。
シャイロー・フェルナンデス演じる、幼い頃から仲の良かった野性的で危険な魅力を持つピーター。
正反対の魅力を持つ、二人の男性(二人ともイケメン!)から愛されるヴァレリー。
彼女は、村を襲う人狼が、ピーターとヘンリーのどちらかなのではないかという疑惑を抱き、祖母や家族をすくうため、自らが犠牲になろうとするのです。
そして、森の中にある人里離れた祖母の家で、人狼の正体を知ります…。
彼女が体験することは、すべて、少女が大人になるための通過儀礼と言えるのかもしれません。
大人になるって、辛い現実を知ることでもあるのですね。。。
「おばあちゃん、どうしてそんなにお耳が大きいの?」
「おばあちゃん、どうしてそんなにお口が大きいの?」
「おばあちゃん、どうしてそんなに歯が大きいの?」
童話「赤ずきんちゃん」でおなじみのセリフも、もちろん登場。
物語の中で、うまく活かされています。
個人的には、ゲイリー・オールドマンにもうちょっとがんばって欲しかった気も。
でも、中世の村で行われる、ちょっとおどろおどろしいフェスティバルの雰囲気などは、なかなか面白いです。
美術や音楽、ダンスなど、なかなかいい感じ。
雰囲気を感じさせるシーンがあちこちに散りばめられているので、ゴスな雰囲気が好きな人は、きっと楽しめるはずです。
『赤ずきん』(100分/アメリカ=カナダ/2011年)
原題:Red Riding Hood
公開:2011年6月10日
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場:丸の内ピカデリーほか全国にて
監督:キャサリン・ハードウィック
製作:レオナルド・ディカプリオ
出演:アマンダ・サイフリッド/ゲイリー・オールドマン/バージニア・マドセン/シャイロー・フェルナンデス/マックス・アイアンズ/ビリー・バーク/ジュリー・クリスティ
公式HP:http://www.akazukinmovie.jp
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