【映画レビュー】パシフィック・リム / Pacific Rim
ギレルモ・デル・トロ監督の巨大怪獣(KAIJU)愛、巨大ロボ愛、コックピット愛があふれるほどに伝わってきて、日本のアニメを見て育った人間としては興奮せざるをえないロボットアクション・ムービー『パシフィック・リム』。
「なんかこの名前聞いたことあるよね」
「お、これはまるで○○!」
「ソード! たまらん!!」
と、密かにテンション上がりっ放しで楽しませていただきました。
1970~80年代に幼少時代を送った日本人は絶対にこの作品を観て、日本人のDNAにしみ込んだ巨大怪獣愛、巨大ロボ愛、コックピット愛を実感するべきだと思います。
個人的に大好きな異形の怪優イドリス・エルバ(今作はかなりカッコいい)も出ているし、ロン・パールマンの大きな靴も素敵だし、ある意味、この夏イチオシの一作です。
STORY
2013年、太平洋の深海の“裂け目”から巨大怪獣“KAIJU”が出現し、サンフランシスコ湾を襲撃し、3つの都市を壊滅させた。人類はKAIJUに対抗するため、人型巨大兵器“イェーガー”を開発した。“イェーガー”のパイロットだったローリーは、兄を亡くし一時引退していたが、スタッカー司令官の説得に応じ、再び“イェーガー”に乗り込むことを決意。日本人女性マコ・モリと共に旧型イェーガー“ジプシー・デンジャー”に乗り、KAIJUとの決戦に向かう。
解説
トラヴィス・ビーチャムが原案をてがけ、ギレルモ・デル・トロと一緒に脚本化、そしてデル・トロが監督したこの作品。
ざっくり言うと、太平洋の海溝の底にある裂け目からわいてくるKAIJUを、環太平洋の国々(パシフィック・リム)の人びとがイェーガーという人型巨大ロボに乗り倒していくという物語です。
このイェーガーという人型巨大ロボ、二人の人間が乗り込み、それぞれ左脳と右脳を使ってイェーガーとドリフトし、動かしていきます。
ドリフトすることにより、二人のパイロットはそれぞれの心と頭を接続し、感情や記憶などを共有しながら、イェーガーを動かすことになるのです。
この設定、どこかで聞いたことがある…。
なんだか、そんな風に聞いたことや見たことのある設定や名前が山盛りだったりするのですが、それが“パクリ”と感じられず“オマージュ”だと思えるのも、溢れるほどのKAIJU愛、巨大ロボ愛が映画のそこかしこからにおってくるからでしょう。
ダサカッコいいネーミングセンスや中二マインド溢れる技の名前もナイス。
そして、日本人女優・菊地凛子の“アメリカ人が思うところのキュートかつクールなジャパニーズ・ガール”的演技(声高い!)や、大スクリーンを一人で5分以上独占しちゃう芦田愛菜の泣きの演技にも注目してもらいたいところ。
そうそう、イドリス・エルバの日本語もご愛嬌です。
とにかく、1960年代以降に日本で特撮怪獣ものや巨大ロボものを見ながら育ってきた人には絶対に観て欲しい一作です。
観ているうちに、きっとあなたも滾ってくるものを感じることでしょう。
それでこそ、健全な日本人というものです。
別コラム
関連作レビュー
パシフィック・リム / Pacific Rim:http://c-movie.jp/review/pacific-rim/
パシフィック・リム:アップライジング / PACIFIC RIM UPRISING:http://c-movie.jp/review/pacific-rim-uprising/
作品情報
『パシフィック・リム』(130分/アメリカ/2013年)
原題:Pacific Rim
公開:2013年8月9日
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場:丸の内ピカデリーほか全国にて
原案・脚本:トラヴィス・ビーチャム
監督・脚本:ギレルモ・デル・トロ
出演:チャーリー・ハナム/イドリス・エルバ/菊地凛子/チャーリー・デイ/ロバート・カジンスキー/マックス・マーティーニ/ロン・パールマン/芦田愛菜/バーン・ゴーマン
公式HP:http://wwws.warnerbros.co.jp/pacificrim/
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