【映画レビュー】少年マイロの火星冒険記3D / Mars Needs Moms
ママを火星人にさらわれた少年が、ママを救いに火星の地下基地で大冒険を繰り広げる映画『少年マイロの火星冒険記3D』。
原題の「Mars Needs Moms」が物語るとおり、火星でも、そして地球でも、子どもを育てるのはやっぱり母親なのですねぇ…。
子どものことを思ってガミガミ言う母親と、そんな母親に反発しつつもママのことが大好きな子ども、仕事ばっかりで肝心な時にはいないくせに、子どもには愛想のいい父親、そんな現代の家族の姿が浮かび上がってきます。
歌って踊ってばかりで働かない火星の男と仕事ばっかりで家庭を顧みない地球の男、どちらがよいのでしょうかね…。
STORY
9歳の少年・マイロは毎日ママに怒られてばかり。パパが出張でいない夜、売り言葉に買い言葉でママを傷付けてしまったマイロ。その夜、マイロの目の前で、ママが宇宙船にさらわれてしまう。思わずママを追いかけたマイロは宇宙船に一緒に乗り、火星に来てしまった。火星地下基地で、マイロはグリブルと名乗る地球人に出会う。マイロはグリブルの協力を受け、ママの救出に向かうことに。マイロはママを救い出し、謝ることが出来るのか?
解説
あのロバート・ゼメキスが製作を務めた本作は、“パフォーマンス・キャプチャー”の技術を利用し、俳優たちの演技をキャラクターたちの動き・表情にそのまま取り込んだCGアニメ。
9歳の少年であるマイロを、1974年生まれのセス・グリーンが演じていたりします。
この映画、このパフォーマンス・キャプチャーの技術ももちろんすごいのですが、物語もなかなか泣かせます。
この物語となる舞台は、火星の地下基地。
母性を失い、子育てができなくなった火星人(女)が、地球から“子育て上手な母親”をさらって来て、子育てロボットにその記憶を移植させようとするのです。
25年に一度子どもが生まれる火星では、女の赤ちゃんだけを選別し、女の赤ちゃんは子育てロボットに育てさせます。
そして、男の赤ちゃんは地下のゴミ処理場に落とし、地下で暮らす男たちに育てさせるのです。
マイロのママは、“子育て上手な母親”に選ばれてしまい、火星にさらわれてくるのですが…。
ガミガミ言ってばかりだけれど、子どものことを何より愛しているママ。
ママに反発してばかりだけれど、ママのために未知の世界にも飛び込んで行こうとする子ども。
このマイロとママの母子愛が、なんとも泣かせます。
さらに、この映画には“子育てを忘れてしまった母親への警鐘”や、“子育てに参加しない父親への問題提起”などのテーマも含まれている気も。
さらに言うならば、製作陣の男性からの、“怒ってばかりのこわーい女性(総統ね)への恐れ”や、“歌って踊って楽しく過ごすのが大好きな、いつまでたっても子どもっぽい自分たち(男性ね)を許してほしい言い訳の気持ち”なんかも感じられる気もします。
なんにせよ、この作品にはお互いがお互いを思い合う素晴らしい家族愛や、LOVE & PEACEの大切さがつまっています。
ラストのパフォーマンス・キャプチャーの撮影風景も、かなり見応えあり。
この撮影風景だけで1本観てみたいなぁ…。
作品情報
『少年マイロの火星冒険記3D』(89分/アメリカ/2011年)
原題:Mars Needs Moms
公開:2011年4月23日
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
劇場:全国にて
製作:ロバート・ゼメキス
監督:サイモン・ウェルズ
出演:セス・グリーン
/ジョーン・キューザック/ダン・フォグラー/エリザベス・ハーノイス/ミンディ・スターリング/ブレッキン・メイヤー/ビリー・ディー・ウィリアムズ
声の出演:濱田龍臣/設楽統
公式HP:http://www.disney.co.jp/movies/miro3d/
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