【映画レビュー】謝罪の王様
朝の連続テレビ小説「あまちゃん」で日本を感動と笑いの渦で包んだ鬼才・宮藤官九郎。
「あまちゃん」の伏線の回収のうまさ、小ネタの多さでファンたちをうならせた彼ですが、その手腕は半年間にわたるドラマだけでなく、2時間の映画でも健在です。
この映画『謝罪の王様』でもクドカンは、その“構成の妙”で観客たちをうならせてくれます。
作品中の時間軸を微妙にずらして見せつつ、最後にすべてが大団円にまとまっていく…。
もう、このうまさ、素晴らしいの一言です。
まさか、自分の人生で「脇毛ボーボー」というセリフで泣きそうになる日が来ようとは、思ってもいませんでした。。。
STORY
帰国子女の倉持典子はヤクザの車に追突してしまい、示談金400万円という誓約書に判を押してしまう。東京謝罪センター所長の黒島譲に助けを求め、彼の謝罪で示談金を減らしてもらった典子は、そのまま黒島の仕事を手伝うことに。セクハラで訴えられた会社員・沼田卓也や、息子の不祥事の謝罪会見を開きたいという大物俳優夫妻の謝罪などを手伝う。そんなある日、マンタン王国の王族へ謝罪したいという国際的な謝罪案件が持ち込まれ…。
解説
水田伸生監督、宮藤官九郎脚本、阿部サダヲ主演と言えば、『舞妓Haaaan!!!』、『泣くもんか』のトリオ。
気心の知れた仲間同士で、ポップな演出、ひねりの効いた脚本、大仰な演技など、それぞれ自由に手腕を発揮しているようです。
阿部サダヲ演じる東京謝罪センター所長の黒島譲と、井上真央演じる助手の倉持典子を中心に、取引先の女性を怒らせてセクハラで訴えられた無神経サラリーマン、息子の不祥事の謝罪会見を開こうとする大物俳優&大物女優の元夫婦、エリート国際派弁護士、マンタン王国の王族を怒らせた映画監督&プロデューサー&製作会社社長らが、それぞれの“謝罪”を繰り広げるのです。
ここでも、様々なパロディや小ネタが散りばめられていて、いろいろニヤリとさせられます。
それでいて、その小ネタが後になって「あ、あれはそういう意味があったのか!」などと驚かされたりも。
もう、クドカンってば、上手過ぎます。
個人的には高橋克実と松雪泰子が演じた、浮世離れした元俳優夫妻がかなりツボだったなあ。
ああいう大物俳優、ホントにいそうですからね。。。
EXILEやE-girls、VERBALたちが歌って踊るノリノリのエンドムービーまで、最後の最後まで「観客を楽しませよう」という気概が感じられる、見事なエンターテインメント・ムービーでした。
作品情報
『謝罪の王様』(128分/日本/2013年)
公開:2013年9月28日
配給:東宝
劇場:全国にて
監督:水田伸生
脚本:宮藤官九郎
出演:阿部サダヲ/井上真央/岡田将生/尾野真千子/高橋克実/松雪泰子/竹野内豊/荒川良々/濱田岳/松本利夫/川口春奈/鈴木伸之/小松和重/笠原秀幸/美波/真飛聖/柄本時生/野間口徹/六角精児/中野英雄/白井晃/濱田マリ/嶋田久作/池田鉄洋/中村靖日/岩松了/小野武彦/津嘉山正種/広瀬すず
公式HP:http://www.king-of-gomennasai.com/
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