幸せの始まりは / How Do You Know
30歳過ぎて、これまで一生懸命やってきたことからハシゴを外されて、「今って人生の中で最悪の時…」と思っている元アメリカ代表のソフトボール選手が、この映画『幸せの始まりは』の主人公です。
個人的に、3年前くらいから主人公と同じような心境に陥ることが多かった私、この作品にはいろいろと思うところがありました。ちょっと泣けたし。
オスカー監督、ジェームズ・L・ブルックスの職人技が光るこの作品、派手さはないですが、キラリと光る、なかなかの良作なのではないかと思います。
特にアラサー、アラフォー女性にはおすすめの作品です。
<STORY>
女子ソフトボールの全米代表チームのキャプテンだったリサ。しかし、31歳となりチームから外されてしまう。リサは最悪な気分のまま、友人に紹介された男性、ジョージと食事することになるが、実はジョージも身に覚えのない投資詐欺の容疑をかけられ、人生最悪な状況に陥っていた。盛り上がらないまま二人は別れる。しかし、リサのボーイフレンドとジョージの父親が同じ高級アパートメントに住んでいたことから、偶然の再会を果たす。
<Cheeseの解説>
リース・ウィザースプーン演じるこの作品の主人公のリサは、全米代表女子ソフトボールの元キャプテン。
チームメイトからの人望も厚く、努力を惜しまない前向きな女性です。
でも、31歳になり、チームから外されてしまいます。
人生をかけて打ち込んできたソフトボールに裏切られ、自分自身のアイデンティティが揺らぐリサ。
新しく付き合い始めたボーイフレンド、マティを愛そうと努力するものの、何かが違う。
カウンセリングに行ってみるものの、自分の弱さを素直に打ち明けることには抵抗がある。
辛い気持ちを抱えているのに、その辛さを誰にも言えず、平気なフリをしたりして、平気なフリをしてしまう自分にさらに落ち込んでしまったり…。
そんな時に再会したジョージ。
お互いが辛い状況にあるということもあって、いろいろなことを包み隠さず話せるし、カッコ悪いところも見せられて、楽でいられるのですが…。
この作品を観て、好きだった点が3つあります。
ひとつは、リサのキャラクター。
彼女は人生の壁にぶちあたったアラサー女性でもありますが、かつては金メダルを獲った世界レベルのアスリートでもあります。
なあなあでの妥協を許さず、物事に正面から立ち向かい、人生を切り拓いて行く姿は、とても参考になりました。
もうひとつは、身勝手な人間がほとんど出て来ないこと。
みんな、自分の状況だけでなく、自分の周囲の状況まで考え合わせて、自分が進むべき道を選択して行きます。
「私さえ良ければ、周囲はどうなってもかまわない」という態度ではなく、きちんと努力し、自分の気持ちを相手に納得させてから行動に移すのです。
ポール・ラッド演じるジョージの最後の決断も、相手のことをきちんと考えたものでした。
まあ、ジャック・ニコルソン演じるジョージの父親はかなりの身勝手ではありますが、最終的には息子の幸せを祈っているし。
最後は、脇役陣のキャラクター。
なかでもオーウェン・ウィルソン演じる能天気大リーガーはかなりツボです。
なかなかにハンサムで、ガタイももちろんいいスポーツマン。
その上、年棒400万ドル(多分そう言ってたような…、ちょっとあいまい)を超えるリッチマン。
とくれば女性にもてないハズがなく、それゆえに女性の気持ちなどに斟酌したことがない、能天気な男性なのです。
この彼が無邪気にリサに気持ちを伝えていく様子は、なんとも可愛らしく、なかなか笑わせてもらいました。
他にも、ジョージの父親やジョージの秘書など、いい味出してたなぁ。
3つのオスカーを持つベテラン監督のもとで、実力派俳優たちが素敵なアンサンブルを見せるこの作品、なかなかにキュートで、なんだかほっこりできるラブストーリーでした。
特に、人生にちょっとした行き詰まりを感じている人たちにオススメしたい一作です。
『幸せの始まりは』(121分/アメリカ/2010年)
原題:How Do You Know
公開:2011年2月11日
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
劇場:TOHOシネマズ日劇ほか全国にて
監督・脚本:ジェームズ・L・ブルックス
音楽:ハンス・ジマー
出演:リース・ウィザースプーン/ジャック・ニコルソン/ポール・ラッド/オーウェン・ウィルソン/アンドリュー・ウィルソン/キャスリン・ハーン
公式HP:http://shiawase-hajimari.jp/
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