【映画レビュー】フルスロットル / Brick Mansions
ポール・ウォーカーと言えば、潜入捜査官。
ポール・ウォーカーと言えば、クルマが好きでなぜか女性にモテるベビーフェイス。
ポール・ウォーカーと言えば、最初はケンカしていながらも、最後はバディと無二の親友になっちゃう気のいいあんちゃん。
そんな“ポール・ウォーカーらしさ”がたっぷり詰まったノー天気なアクション映画が、本作『フルスロットル』です。
なんせこの作品、リュック・ベッソン印のヨーロッパ・コープ作品。
この名前を聞いただけで、だいたいはおわかりいただけるでしょう。
でも、こんな楽しい映画の冒頭に「ポール・ウォーカーの想い出に捧ぐ」だなんて弔辞は見たくなかったわ…。
あまりにもポール・ウォーカーらしい“最後の主演作”、楽しい気持ちと哀しい気持ちが混ざってしまう、なんとも不思議な味わいの一作です。
<STORY>
2018年、デトロイト郊外にある“ブリックマンション”一帯は暴力とドラッグがはびこる無法地帯となり、浄化を目指す市長たちに邪魔な存在となっていた。ある日、捜査官のダミアンがブリックマンションへの潜入を命じられる。ブリックマンションのボス・トレメインに中性子爆弾が盗み出され、10時間以内に解除コードを入力しなければ爆発してしまうというのだ。ダミアンはブリックマンション育ちのリノを相棒に、ブリックマンションに潜入する…。
<解説>
リュック・ベッソン製作・脚本のフランス映画『アルティメット』を英語リメイクしたヨーロッパスコープ作品である本作。
パルクールの創始者の一人、ダヴィッド・ベルを前作と同じ役で起用し、ポール・ウォーカーの冒険を盛り上げています。
この作品でダヴィッド・ベルは初めて英語の演技に挑戦。しばらくパルクールをやっていなかったという彼にとって、二重のチャレンジとなったようです。
さらには、ポール・ウォーカーもパルクールに挑戦。
ダヴィッド・ベルほど軽やかではないですが、ノースタントで様々なアクションに挑んでいます。
ラッパーのRZAが敵一味のボスを演じているのも、なかなか面白く、ハリウッド俳優のポール・ウォーカー、フランス人俳優でパルクールやスタントを専門とするダヴィッド・ベルという出自の違う俳優三人が、面白いコンビネーションを見せています。
もちろん、リュック・ベッソン作品には欠かせないキャット・ファイトも健在。
スクールガール風ファッションの黒髪美女、カタリーナ・ドゥニと、ボンテージライクな衣装に身を包んだアイシャ・イッサが、髪を振り乱しながらのバトルを見せてくれてます。
本作『フルスロットル』、カーアクション、パルクール、キャット・ファイトなどのヨーロッパ・コープらしい魅力にあふれる娯楽作と言えるでしょう。
まあ、それだけと言えばそれだけの作品ではありますが…、リュック・ベッソン印ですからね。
私的には、これだけで充分満足です。
『フルスロットル』(91分/アメリカ/2013年)
原題:Brick Mansions
公開:2014年9月6日
配給:アスミック・エース
劇場:新宿ピカデリーほか全国にて
監督:カミーユ・ドゥラマーレ
脚本:リュック・ベッソン/ビビ・ナセリ
出演:ポール・ウォーカー/ダヴィッド・ベル/RZA/カタリーナ・ドゥニ/アイシャ・イッサ
公式HP:http://0-g.asmik-ace.co.jp/
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