【映画レビュー】アーマード 武装地帯 / Armored
非常に男くさ~い映画、『アーマード 武装地帯』を観ました。
いや、嫌いじゃない、この感じ。
マット・ディロン、ジャン・レノ、ローレンス・フィッシュバーン、スキート・ウールリッチと、出ている面々がことごとくむくつけき大男ばかり。
まさしく、“男の映画”という感じなのです。
なんというか、歌舞伎町とかのちょっと変なにおいのする映画館で、平日昼間に職業不詳のちょっとコワげなお兄さんたちに囲まれながら観たい映画というか、逆にテレビ(それも地上波)でビールでも飲みながら観たい映画、というか…。
軽~く何も考えずに観られる映画であることには間違いないんですが、よーく考えてみると、今のアメリカ社会の現状を表しているようにも思えます。
ま、考え過ぎかもしれないけど。
<STORY>
両親に先立たれ、イラク戦争から帰還したタイ・ハケットは、警備会社に就職し、現金輸送の警備をしていた。タイの試用期間が明けた頃、チームリーダーのマイクがタイにある計画を打ち明ける。強盗にあったふりをして輸送中の現金4200万ドルを隠し、チーム6人で山分けするというのだ。タイは「誰にも危害は加えない」というマイクの言葉を信じて一度は賛同するが、仲間がホームレスに発砲したのを見て、計画から降りようとする。
<解説>
この映画の主人公(ではないのかもしれません。日本版のポスターなんかを見ても一番後ろに写ってるし。主人公というより、キーマン?)のタイは、イラク帰りの元兵士です。
戦場で敵を殺したトラウマを抱えつつ、両親に先立たれ、高校生の弟の面倒を見なければならない。
親がなけなしの貯金をはたいて(多分)サブプライム・ローンで手に入れたマイホームは、今や銀行から差し押さえ寸前。
お金をなんとか工面したくとも、ひとりだけ勤務を増やしてもらうわけにもいかない。
真面目に生きているはずなのに、にっちもさっちもいかない毎日。
そんな中、濡れ手に粟の現金強奪計画を聞かされて、「犠牲者は出ない」という言葉を信じ、悪事についつい手を貸しちゃった。。。
でも、やっぱりヒーロー志向だから、完全なワルにはなりきれない。いや、なろうとしない。
そんな、不況の中で生きるアメリカ苦労青年の、どうしようもできない現状を表している映画のように思えたのでした。
ま、そんな風な裏読みをしなくても、男っぽくてツウ好みの俳優たちを見ているだけでも楽しいです。
マット・ディロン、ジャン・レノ、ローレンス・フィッシュバーン、スキート・ウールリッチ。
なんて重量級の俳優たち…。
彼らの乗ってたアーマードトラックの中は、男臭くてたまらないに違いありません。
においフェチにはたまりませんね。
87分の上映時間中、女性がひとりしか出て来ない、正しく“男の映画”である『アーマード 武装地帯』、私的にはなかなか楽しめました。
『アーマード 武装地帯』(87分/アメリカ/2009年)
原題:Armored
公開:2010年3月27日
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
劇場:新宿バルト9ほか全国にて
監督:ニームロッド・アンタル
出演:マット・ディロン/ジャン・レノ/ローレンス・フィッシュバーン/スキート・ウールリッチ/アマウリー・ノラスコ/アンドレ・ジャマル・キニー/マイロ・ビンティミリア
公式HP:http://www.buso-movie.jp/
売り上げランキング: 21500
売り上げランキング: 17950
La-La Land Records (2010-01-19)
売り上げランキング: 232970