【映画レビュー】クワイエット・プレイス 破られた沈黙 / A Quiet Place Part II
2018年に公開されたジョン・クラシンスキー監督&エミリー・ブラント主演作『クワイエット・プレイス』。
全米累計興収1億8800万ドル以上を記録した2018年全米No.1大ヒットホラーとなったこの作品の続編が『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』です。
2021年5月28日から全米で公開されたこの『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』、初週末興収は4835万ドルを記録し、コロナ禍後初の大ヒットとなりました。
主人公のエヴリンを演じたエミリー・ブラントほか、彼女の子どもたちを演じたミリセント・シモンズとノア・ジュプも続投。前作より勇敢に、そして賢明になり、それぞれ成長した姿を見せてくれています。
1作目のラスト直後から始まるこの物語。
DAY89から始まった前作では明かされなかった、DAY1、悲劇の始まりの日も描かれています。
このDAY1の登場人物に、よーく注目しておいてくださいね。
STORY
音を立てると襲ってくる“何か”から家族を守り、リー・アボットは命を落とす。夫を亡くした妻のエヴリンは、生まれたばかりの赤ちゃんと耳は聞こえないが勇敢な長女のリーガン、怖がりの長男のマーカスを連れて、住みなれた家を後にした。やがて彼らは町外れの製鋼工場跡地にたどり着く。そこには、エメットとという男が先に住み着いていた。“何か”に襲われたエヴリンたちはエメットに助けられるが、すぐに出ていくように言われ……。
解説
前作で夫のリーと暮らしていた家を失ったアボット一家。
彼らは安全な居場所を探すため、暮らしていた家を出ていくことになります。
“泣くのが仕事”でいつ大声で泣き出すかわからない赤ちゃんを防音箱の中に入れ、酸素の供給ができるように酸素ボンベを装着させて運びながら、安全な地を探さなければいけないのです。
アボット一家が暮らしていたのはアパラチア山脈近くの鉄鋼業で栄えたラストベルトの工業都市。
街の周辺には使われなくなった製鋼工場がありました。
そこは床も厚く、溶鉱炉に入れば音は外にまったく漏れなくなるという、音を出さない生活に最適な場所。
そこでエヴリンたちはエメットという生存者と出会うのです。
“何か”の襲撃で家族を亡くしたエメットは、たった一人で他人を拒絶しながら生きてきました。
しかし、そこで家族で生き抜こうとするエヴリンたちに出会い、自分の息子と同じ年頃のマーカスやリーガンと出会い、父性を取り戻していくのですが……。
アボット家ほか、生き残った者たちは皆、過酷な状況に置かれています。
でも、彼らが残された資源を活用し、生き残る方法を模索していきます。
“何か”も地球での経験をもとに賢くなっているようですが、人間も成長していくのです。
家族を守ろうとした父親・リーの強さを受け継ぎ、母親と生まれたばかりのきょうだいを守ろうとするマーカス。
父親・リーの勇敢さと賢明さを受け継ぎ、“何か”を倒すための方法を模索し、一人で事態に立ち向かおうとするリーガン。
前作では、ジョン・クラシンスキー演じる父・リーがいかに家族を守ってきたのか、エミリー・ブラント演じる母・エヴリンが無事に出産を迎えられるかが重点的に描かれていましたが、本作ではミリセント・シモンズ演じるリーガンとノア・ジュプ演じるマーカスの成長が重点的に描かれていたように思います。
本作のエヴリンは、成長した子どもたちの冒険を、不安を抱えながらもただ待っています。リーの忘れ形見でもある赤ちゃんを守りながら。。。
モンスターパニック映画でありながらも、「クワイエット・プレイス」シリーズはどこまでも家族の物語なのが、大きな特徴と言えるでしょう。
未知の脅威に立ち向かう強さをくれるのは、誰かを信じる心なのかもしれません。
ジョン・クラシンスキー&エミリー・ブラント夫妻にとっては、それはつまり、家族を信じる心ということなのでしょう。。。
作品情報
『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』(97分/アメリカ/2020年)
原題:A Quiet Place Part II
公開:2021年6月18日
配給:東和ピクチャーズ
劇場:全国にて
製作:マイケル・ベイ
監督・脚本・出演:ジョン・クラシンスキー
音楽:マルコ・ベルトラミ
出演:エミリー・ブラント/ミリセント・シモンズ/ノア・ジュプ/キリアン・マーフィ/ジャイモン・フンスー/ケイド・ウッドワード/スクート・マクネイリー/アリス・ソフィー・マリコワ/オキエリエテ・オナオドワン/ウェイン・デュヴァル
Official Website:https://quietplace.jp/
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