【映画レビュー】ニューヨーク 冬物語 / Winter’s Tale
“アイルランドの悪童”ことコリン・ファレル、“オーストラリアの種馬”ことラッセル・クロウ。
私の中では、この二人は密かにこんなイメージ。
ワイルドかつ女好き、目が合っただけで女性を妊娠させてしまうような、そんなオスのフェロモンをいい意味でも悪い意味でもたっぷり放出しているような気がします。
そんな彼ら二人がメインキャストを務めた映画『ニューヨーク 冬物語』は、彼らのイメージとは正反対のファンタジックなラブストーリー。
運命の愛と永遠の悪、人智を超えた存在の起こす奇跡の物語を、美しく描いています。
<STORY>
1916年、身よりのないピーター・レイク青年は、NYの裏社会を牛耳るパーリー・ソームズから命を狙われていた。ある日、ピーターは肺病で余命わずかのベバリーと恋に落ちるが、ベバリーは命を落としてしまう。失意の中、ピーターはパーリーに捕まりブルックリン橋から突き落とされるのだった。しかし、ピーターは記憶のないままにそのままの姿で生き続けていた。2014年、ピーターはジャーナリストのバージニアとその娘のアビーと出会う…。
<解説>
『ニューヨーク 冬物語』というタイトルを聞いて、「え? 田村正和出て来るの? あれ? 明石家さんまと大竹しのぶの方?」と思った方はきっとアラフォー。私と同世代かそれ以上の方でしょう。
もちろん、この映画『ニューヨーク 冬物語』には日本人キャストは出てきません。
ファンタジックなラブストーリーで、善が悪をくじく様を描いた、大人のおとぎ話なのです。
コリン・ファレル演じる主人公のピーター・レイクは、1895年に生まれた天涯孤独な青年です。
1916年に、ある女性を愛するようになり、そして彼女を病気で亡くします。
そしてその後も、不思議な運命の力によって、記憶を亡くしつつもそのままの姿で2014年まで生き続けるのです。
彼を見守っているのは、1910年代からニューヨークの悪を牛耳っている男、パーリー・ソームズ。
なぜ普通の人間である彼が、愛する人を亡くした後に、生き続けることになったのか?
運命は本当にあるのか?
“悪”を牛耳る男、パーリー・ソームズの正体とは?
それらの問題が、ゆるやかに解き明かされていきます。
“絶対的な神”が人間の上に存在し、人間を脅かす“絶対の悪”があるというキリスト教的価値観から描かれているこの作品、キリスト教を信じる人には理解しやすいのかもしれません。
“運命の愛”“人間の信じる力”が奇跡を起こし、“悪”に勝つからこそ、この物語は感動的なのでしょう。
まあ、日本人的八百万の神を信じる私としては、純粋にラブストーリーとして楽しみました。
1916年の古いニューヨークの街並、現代の新しいニューヨークの街並、新旧ニューヨークの魅力もたっぷりな一作です。
『ニューヨーク 冬物語』(118分/アメリカ/2014年)
原題:Winter’s Tale
公開:2014年5月16日
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場:丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国にて
原作:マーク・ヘルプリン
製作総指揮:ケリー・フォスター/ブルース・バーマン
プロデューサー:マーク・プラット/マイケル・タドロス/トニー・アラード
監督・脚本:アキヴァ・ゴールズマン
撮影:キャレブ・デシャネル
美術:ナオミ・ショーハン
音楽:ハンス・ジマー
編集:ウェイン・ウォーマン/ティム・スクワイアズ
衣裳デザイン:マイケル・カプラン
出演:コリン・ファレル/ラッセル・クロウ/ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ/ジェニファー・コネリー/ウィリアム・ハート/エヴァ・マリー・セイント/ウィル・スミス
公式HP:http://wwws.warnerbros.co.jp/winterstale/
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