【映画レビュー】サロゲート / Surrogates
ブルース・ウィリスの新作は、人間の身代わりに“サロゲート”と呼ばれるロボットたちが社会生活を送る近未来の世界を描いたSFアクション『サロゲート』。
つっこみどころはたくさんありますが、勢いに釣られて楽しく観られる一作です。
まあ、一番のつっこみどころは、髪の毛フサフサ、おはだツルツルのブルース・ウィリスなのですが…。
STORY
ロボット工学が進化した近未来。人類は自分の分身として“サロゲート”と呼ばれるロボットを操作し、日常生活を送っていた。サロゲートたちが仕事などの生活を送っている間、生身の人間はスティムチェアーに寝て、脳神経を通じてサロゲートを動かしているのだ。ある日、ナイトクラブ前でサロゲートの殺人事件が発生。FBI捜査官のグリアーは持ち主のもとへ向かう。すると、持ち主はスティムチェアーに横たわったまま息絶えていた…。
解説
この映画では、会社や学校などの外の社会で活動している人々は、すべて“サロゲート”です。
サロゲートは、みんな持ち主の外見に似せてさりげなくカスタマイズされてはありますが、基本はみんな容姿端麗。
髪の毛はフサフサでサラサラだし、おはだはツルツルだし、男性はガタイがいいし、女性はナイスバディ。
では、生身の人間はどうなっているかというと…。
それぞれ、家に引きこもり、ほぼ寝巻のまま24時間過ごしているようです。
スティムチェアーに横たわったまま運動もしないからちょっとデブっとしているし、髪の毛もボサボサ、顔もグズグズ。
結婚している人たちは家族はいるけれど、それぞれ家の中でもサロゲートで会話し、生身の人間同士は会話もしない。
この映画で描かれているのは、そんな近未来です。
ストーリー的には、サロゲート社会を脅かすテロ事件が発生し、FBI捜査官のブルース・ウィリスが捜査に乗り出して解決していきます。
ブルース・ウィリスは老体に鞭打ってかなりのアクションを披露しているし、89分と尺もほどよいので、勢いに乗って観られる映画です。
本当は年老いているのにいつまでも若々しくバイタリティ溢れる姿でいる不自然さ、生身の体がそこにあるのに触れ合おうとせず、サロゲートという“ツール”を使ってしか他者とコミュニケート出来ない悲哀…、そういった現代社会に対する暗喩的なテーマを秘めつつ、表向きはあくまでもアクション。
そのどっちつかずな感じと、設定のつっこみどころの多さが、なんとなくこの作品を中途半端な仕上がりにしている気がします。
だって、サロゲート社会って、ちょっと考えただけでも、すぐつっこみどころが浮かぶんですから。
社会システムとして、すぐに破綻が訪れるに決まっています。
せっかくの映画なのだから、せめて設定上だけでもつっこみどころがないように処理しておいてほしかったなあと思うところ。
そういう細かい設定を詰めてくれるだけで、満足度はもっと上がるはずなのになぁ。
あ、でも、普通に面白かったですよ。
ブルース・ウィリスはフサフサだし、アクション頑張ってたし。
作品情報
『サロゲート』(89分/アメリカ/2009年)
原題:Surrogates
公開:2010年1月22日
配給:ウォルト ディズニー スタジオ モーション ピクチャーズ ジャパン
劇場:全国にて
監督:ジョナサン・モストウ
出演:ブルース・ウィリス/ラダ・ミッチェル/ロザムンド・パイク/ヴィング・レイムス/ジェームズ・クロムウェル
公式HP:http://www.movies.co.jp/surrogate/
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